平成20年 第5回定例会(第4日12月11日)

相崎佐和子(1回目の発言)


皆さん、おはようございます。ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問をさせていただきます。よろしくお願いします。 
 では、まず1点目の質問です。中央公民館のあり方について伺います。 
 初めに、伊丹市立中央公民館の今日までの経緯などを説明させていただきます。 
 伊丹市立中央公民館は、1973年、昭和48年に、伊丹市千僧1の1の1の地に誕生しました。御存じのように、市役所の東隣に位置し、中央図書館、博物館と並んで、伊丹市の文化ゾーンにある3館のうちの1館を担う施設となっています。当初の社会情勢として、高度経済成長期の真っただ中、生涯学習という概念が生み出され、社会人になっても学びたいという意欲を持つ人が非常に多くなり、そのニーズにこたえるべく、伊丹市の生涯学習の場として中央公民館が誕生したそうです。当時は、経済的事情などで高校や大学への進学がかなわなかった人も多く、学びに対するニーズが非常に高く、公民館は性別問わず、年齢問わず、市民ニーズの高い施設であったそうです。聞くところによると、当時は開催する講座どれもが定員を何倍も超す大盛況で、抽せんの列は図書館の方まで延びたそうです。抽せんに当たった受講生は、大学教授などの講師の方々の話を一言も聞き漏らすまいというくらいの熱心な学習意欲で臨まれていたそうです。その光景を想像しますに、胸が熱くなる思いです。また、公民館にてさまざまな多くの活動グループが誕生し、主体的な学習や文化活動が展開されてきました。このように、今日まで中央公民館は、誕生して35年、伊丹市の生涯学習の拠点として大きな成果を上げてきました。 
 そして現在です。公民館を取り巻く環境は大きく変化をしてきました。市民のニーズが多種多様化し、幅広いさまざまなことが公民館に求められるようになりました。また、学ぶことができる施設もさまざまな形態が展開されています。平成4年にはラスタホール、平成14年にはきららホールが誕生し、ほかにも駅周辺では民間のカルチャーセンターが乱立をし、大学でも市民向け公開講座が開催されたりしています。 
 そんな現状下において、中央公民館は、今、何が求められ、どんな役割を果たすべきなのか、今後どのような方向性で進んでいくのが望ましい形なのか、これらを改めて考え直さねばならぬときに来ていると考えるところです。 
 そこで、中央公民館のさらなる充実を心から願い、公民館をいま一度改めて考察をするということで、以下、質問をさせていただきます。 
 まず、1点目の質問は、これから中央公民館が進むべきスタンスと事業内容はということです。公民館は伊丹市内で唯一、社会教育法に基づいて設置されている施設です。その第20条には、公民館についてこのように書いてあります。公民館は、「実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もって住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とする。」とあります。つまり公民館は実生活に即した教育や文化について学ぶ施設となっており、これまでは、例えば講座では、現代課題の解決といった内容を中心に実施されてきたと聞きます。しかし、公民館を取り巻く環境が大きく変化をする今、中央公民館としてのスタンスと事業内容も考え直すことが求められています。実際、公民館が現代課題の解決という従来のテーマに沿って開催する講座は、種類によっては定員を割ってしまうこともあると聞くところです。 
 私は、中央公民館のこれからの方向性として、社会教育法に基づくテーマをベースにしつつ、時代の流れや周囲の環境を把握し、市民ニーズにマッチした、市民が求める講座を模索し、実施していく方向性が望ましいと考えるところです。 
 そこで伺います。中央公民館は、今後どのような形態で管理運営をし、どのようなスタンスのもと、ソフトを展開していくべきだとお考えでしょうか。まずはその点を改めて確認したいと考えます。 
 2点目に伺うのは、公民館への市民の参画ということについてです。 
 先ほど、これからの公民館はベースを維持しながらも市民ニーズに合ったソフト展開をすることが望ましいのではないかと申し上げましたが、その上で一つの大きなかぎとなるのが市民の参画ということだと考えます。公民館事業にどんどん市民の皆さんに主体的に参画していただくのです。公民館は現在、市の直営となっています。今後も直営で進めるということであれば、市民の方々が参画をし、公民館と市民が対等の立場でパートナーシップをとり、手を携えて事業を実施していくことが不可欠ではないでしょうか。 
 そこで伺います。公民館について、特に市民の参画ということについての見解をお教えください。 
 そして3点目に伺うのは、市民の参画という観点において、公民館事業推進委員会の評価と方向性について伺います。 
 先ほど公民館には市民参画が必要であろうと申し上げましたが、実際、ここ数年、その方向性が進められてきております。公民館事業推進委員会というのがそれに当たります。平成16年に、公民館にもっと市民の人にかかわってもらおう、参画してもらおうという目的で、この公民館事業推進委員会という委員会が立ち上がりました。この委員会は、市民の皆さんがメンバーとなって、実際に講座を企画したり、イベントを実施したり、グループ活動の育成、支援を行ったりする組織であります。従来の行政主導の事業実施から、市民の意思やニーズを大いに反映した事業の推進を目指そうというものです。 
 この仕組みがスタートした平成16年以降、この推進委員会は充実の一途をたどっているそうで、今年度で委員会の市民メンバーは32人、そしてその市民委員を支える事務局は5名分の職員が雇用されています。また、委員会の事業内容は、現在では公民館事業のうちおよそ半分をこの推進委員会が担っていると聞きます。 
 このような形態、つまり行政と市民がパートナーシップで事業展開を図る形態は、全国の公民館で多く取り入れられており、近隣では西宮でもしっかりとした市民団体が公民館の事業運営にかかわり、大きく寄与していると聞きます。 
 私は、公民館事業推進委員会は、平成16年の誕生からこれまで、委員の方々の高いモチベーションのもと、一定の成果を上げているものであり、今後は市民の参画をさらに充実させるためにも、少なくとも現状維持、そしてさらなる充実と活性化を目指すことが望ましいと考えるところです。なお、伊丹市教育ビジョンにもこの推進委員会については充実を図ると記されています。 
 そこで伺います。公民館事業推進委員会について、どのように評価をし、さらに今後どのように進めていくのでしょうか。見解をお教えください。 
 4点目に伺うのは、公民館のグループ活動の育成支援ということです。 
 公民館には登録グループが現在およそ200団体もあるそうです。その中でもおよそ90の団体が公民館登録団体連絡協議会、略して公連協という協議会に属しています。この公連協では、各グループの活性化を図ったり、グループの全体発表会を行ったり、公民館まつりを実施したりしています。公民館として、このようなグループ活動の育成や支援を行っていくことも大きな役割ではないでしょうか。 
 そこで伺います。中央公民館として、グループ活動の育成と支援をどのように考え、どのように進めていくおつもりでしょうか。見解と具体策をお教えください。 
 5点目に伺うのは、中高齢者支援の場としての充実策ということです。 
 教育ビジョンには、公民館の具体的事業の一つとして、超高齢化社会の到来を見据えた中高齢者の生きがいづくりや団塊世代の生きがいづくり、社会参加支援と書いてあります。また、「伊丹の教育」には、公民館は団塊世代等中高年の生きがいづくりや地域参加を支援すると記されています。このように、公民館が団塊世代や高齢者などの支援の場としても大きな役割を担っていると考えます。実際、公民館団塊世代プロジェクトと題して事業を展開しているとも聞くところですが、改めて伺います。公民館として、中高齢者の支援の場としての見解と充実策をお教えください。 
 最後、6点目に伺うのは、子育て支援の場としての充実策はということであります。 
 公民館は、子供の居場所に位置づけられ、次世代育成の場となっています。また、この少子化の時代、子育て支援の場という役割も公民館に求められています。実際、次世代育成については講座やイベントの実施を、また、子育て支援に関しては、さまざまな講座を展開するほか、1階のロビーの一角を月2回ほど親子向けフリースペース「子育てサロン」として今年度より開放しており、大変好評を博していると聞くところです。ぜひとも拡充をしてほしいところです。 
 そこで伺います。子育て支援の場、次世代育成の場ということに関して、今後、公民館はどのように充実をさせていくのでしょうか。見解と具体策をお教えください。 
 続いて、2点目の質問に移ります。伊丹市役所におけるコンプライアンス、法令遵守の強化ということについてです。 
 コンプライアンスとは、ここ近年よく耳にするようになった言葉でありまして、法令遵守と訳されます。意味は、企業や自治体がルールや法律、社会規範に従って、公正、公平に業務をきちんと遂行していくことであります。なぜこのコンプライアンスが最近重要視されるようになったのか。それは相次ぐ企業の不祥事からであります。食品の消費期限を改ざんしたり、産地を偽装したり、自動車のリコールを隠したり等々、さまざまな不祥事が明るみになり、社会を騒がせています。 
 そして企業だけでなく、自治体も不祥事が連日報道され、問題になっています。自治体のトップ、また議員、また職員の不祥事が、残念ながら新聞やマスコミをにぎわすところです。つい最近では、尼崎市でも市職員が官製談合疑惑で逮捕されたばかりであります。このような社会情勢下において、企業も自治体もコンプライアンス、法令遵守について、今、改めて重要視しているのであります。 
 そこで、今回、このコンプライアンスについて、特に伊丹市役所のコンプライアンスということについて焦点を絞り、質問をいたします。といいますのも、企業による不祥事のニュースにも憤りを感じるところでありますが、自治体の不祥事というのは決してあってはならぬことだと、大きな問題と感じているからです。幸い伊丹市では全国的なニュースとなるような大きな不祥事は発生しておりませんが、しかし、だからといって不適切な事柄がないということにはならず、また、小さい事柄であればスルーしてよいというものでもありません。実際に全国の自治体においてコンプライアンス強化に努めているところは、傾向として、何か大きな不祥事があり、その対策として強化に努めているところが多いようです。伊丹市としては、そうなる前に強化、充実に努めねばと強く考えるところです。 
 そこで、いま一度、伊丹市という自治体におけるコンプライアンスを見直し、強化をすることで、不祥事を未然に防ぐ体制づくりと、万が一問題が生じた場合に最善の方法で対処できるよう、リスク管理を万全するために、以下、質問をさせていただきます。コンプライアンス強化策については幅広くさまざまにありますが、数点をピックアップして提案します。 
 では、まず1点目です。公益通報者制度の強化についてです。 
 公益通報というのは、労働者が、勤務先などにおいて法令違反が生じ、または生じようとしている旨を、不正の目的ではなく、その事業所や行政に通報することとなっています。つまり内部でこんな法令違反があるのではと、実際の労働者がしかるべき場所に通報することであります。内部告発のうちでも特に法令違反について通報することを公益通報といいます。 
 不祥事が発覚するきっかけとして、この公益通報のパターンが実際に多いところです。そして、勇気を持って通報した労働者が、その行為のせいで不当に解雇されたり、降格、減給されるようなことがあってはなりません。 
 そこで、国において、平成18年、公益通報者保護法が施行されました。そして伊丹市でも同年、18年に、伊丹市公益通報の処理に関する規則が定められました。これにより、伊丹市における公益通報の体制が明確化され、通報者の保護についても明文化されています。具体的な内容としましては、公務員を含む労働者は、勤務先の法令違反を通報することができて、相談の窓口は人事課長及び人事課職員、相談員は総務課長と福利厚生課長、また、公益通報処理委員会として総務部長を委員長とする組織を設置する、また、通報者は保護されると、このような内容となっています。この伊丹市の規則を読み解くに、確かに体制は整えられているようです。しかし、課題も感じられるところです。 
 まず、この規則がどれほど職員並びに市民に浸透をしているでしょうか。事公益通報ということですので、市民や職員が何かあればこういう形で通報できると認識しておかねば、その価値は半減するものです。これまで職員への周知方法としては、職員広報である「ふれあい」平成18年8月号にて告知、また市民へは、「広報伊丹」平成18年9月15日号にて小さくですが掲載されておりました。これだけで現在どれほどの職員や市民が公益通報の仕組みを認識しているのでしょうか。実際に平成18年度の規則発足以来、現在までで通報件数は2件とのことでした。通報が多ければよいというものでもありませんが、この少なさは周知不足もあるのではと考えられるところです。ちなみにコンプライアンスに力を入れている大阪市では、伊丹と人口や体制が異なるものの、公益通報は平成18年度で875件もあったそうです。これらを考えるに、やはり今以上の職員、市民への周知徹底が必要ではないでしょうか。具体策として、例えば広報紙でも定期的に告知をする、庁内の共通LANであるふれi−Netで紹介のツールをきちんと作成しておくなど。また、ほかの自治体ではコンプライアンスの携帯カードなるものを作成して、全職員に配付をしているそうです。 
 そこで伺います。伊丹市の公益通報者体制について、より周知徹底することについての見解と具体策をお教えください。 
 次に、公益通報者制度について、第三者委員の導入を伺います。 
 現在、伊丹市の規定では、公益通報について、窓口は人事課、相談員は総務課長と福利厚生課長、公益通報処理委員会は総務部長を委員長とする組織となっていまして、すべて内部のメンバーとなっています。もちろんこれらのメンバーでは適切に処理できないというわけではないのですが、しかし、ここに弁護士や公認会計士、学識経験者など、外部の第三者が何らかの形で加わる方が、より公平で適切な対応が可能になるのではと考えるところです。あり得ないことではありますが、内部メンバーのみですと、市役所内の重大な問題が通報された場合に、内々で処理といった事態も起こらないとは限りません。 
 外部委員について、例えば神戸市では、内部通報相談員なるものが設置され、弁護士などがメンバーとなっています。西宮では内部公益通報調査委員会があり、弁護士など学識経験者がメンバーに、生駒市では大学教授、弁護士、公認会計士の3名で構成する法令遵守委員会がございます。 
 そこで伺います。通報があった際に、より公平で適切に対応するために、第三者を通報処理委員会の委員に加える方向性についていかがでしょうか。費用対効果の問題もありますが、一定の報酬をあらかじめ決めておくのではなく、必要に応じて都度、報酬を支払うという体制も可能かと考えます。見解をお教えください。 
 次に、伊丹市のコンプライアンス強化について、専門の担当部署を設けるということについて伺います。 
 全国を調べますに、コンプライアンスについて専門の担当部署を設ける自治体がふえているようです。近隣では、神戸で行財政局行政監察部にコンプライアンス推進室があり、枚方市では総務部にコンプライアンス推進課というものがあります。伊丹市の場合、コンプライアンスに関する専門の担当部署は現在存在をしておりませんが、今後の検討課題にすることは一定有意義ではないかと考えます。 
 そこで伺います。伊丹市役所の組織において、コンプライアンスの専門部署を設置することについての見解をお教えください。 
 では次に、職員の綱紀粛正の強化について伺います。 
 コンプライアンスの基本となるのは、やはり職員一人一人の意識や倫理観ということになろうかと考えます。不祥事を未然に防ぐ自浄作用のある市役所に根本的になることが大事なのであります。 
 他市の例を見ますに、宝塚など多くの自治体で職員倫理条例のような職員の行動規範を設けています。また、大阪市ではコンプライアンスのハンドブックを作成し、ホームページに掲載するとともに、全職員に配信していますし、また、携帯用のカードをつくりまして、全職員に配付をしています。また、これは企業ですが、同じようにやはり携帯用のカードをつくって、首から下げるIDカードの裏面に入れておくように義務づけているそうです。また、佐賀県では、コンプライアンス基本方針を定め、職員は読んだ上で署名することになっているそうです。近江八幡市では、毎年4月と10月をコンプライアンス月間としています。もちろん研修を実施するところも多くあります。 
 伊丹市の場合、市長も19年度施政方針で、職員の綱紀粛正を徹底するとおっしゃっていましたが、具体的にはどのような強化策を講じているのでしょうか。 
 そこで伺います。伊丹市役所の職員における綱紀粛正の強化について、見解と具体策をお教えください。 
 では最後に、外部監査の導入について伺います。 
 平成9年、地方自治法改正により、包括外部監査の制度が導入をされました。これは、監査人の監査に加えて外部の監査人が監査を行う制度です。外部監査人の資格は弁護士、公認会計士、税理士などと法規定されています。この外部監査は都道府県、政令指定都市、中核市において義務づけられておりまして、その他の市町村については任意となっており、現在、伊丹市では外部監査制度は導入をされていません。ただ、この外部監査、コンプライアンスという観点で考えると、かなり強力な法令遵守のチェック機関になるのではないでしょうか。費用対効果という課題もありますが、監査人の報酬を先に規定し、その範囲内で監査できる内容を検討するという方法もあります。 
 そもそも監査とは、第三者性が高い方がより機能を充実、強化できるものではないでしょうか。もちろん今の監査を否定するものでは全くございませんが、現在の監査委員に加えて外部の監査人が相互に補完しつつ伊丹の監査を実施すれば、今以上の効果が上げられると考えます。 
 これまで議会でも一定外部監査の導入については質問が出ており、また、包括外部監査が義務づけられている市町村以外で導入をしている自治体がまだ少ないということも承知をしておりますが、しかし、第4次伊丹市総合計画には、外部監査制度の導入を図るとはっきり明記されておりますし、後期事業実施5か年計画でも、外部監査の導入が目標設置されているところであります。 
 そこで伺います。伊丹市においての外部監査制度の導入について、いま一度改めて見解をお教えください。 
 以上で1回目の質問を終わります。御答弁、よろしくお願いいたします。


生涯学習部長(答弁)

私からは、中央公民館のあり方に関する御質問にお答えいたします。 
 公民館は、学校教育法に基づく学校に対して、社会教育法に基づく社会教育施設として、ともに教育機関とされてまいりました。童謡の中に出てきますが、学校にスズメの学校とメダカの学校があるとすれば、公民館はメダカの学校である。メダカの学校である公民館は、だれが生徒か先生かわからない。みんなで遊戯している。すなわち公民館は教える人と教えられる人が固定していない。時にその立場が入れかわることが可能であると表現される方がおられます。このように、公民館の特徴は、市民が互いに学び合う場として、集い、交流し、人と人とが結び合う場であり、それらの活動を通して住民の自治能力を向上するところにあると言えます。 
 さて、第1点目のこれからの中央公民館が進むべきスタンスと事業内容とはとの御質問でありますが、御指摘のように、公民館は社会教育法に基づいて設置されたもので、住民のために実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とする施設であります。したがって、公民館での学習は、市民の実際生活からかけ離れた単なる教養的な内容ではなく、市民の健康問題や急速に進展する高齢化の問題、あるいは教育問題や地域での子育て支援など、実生活に即した学習が大切であります。これらの生活課題や地域課題をどのように考え解決していくのかを、市民相互の学び合いによって、みずからが地域をよくしていこうという力、つまり市民力をはぐくむことが公民館に求められているところであります。これからの公民館は、日々の暮らしや社会生活におけるさまざまな課題をとらえ直し、学習した成果を地域に生かす、市民による地域づくりを支援するための拠点となることが求められているところであります。 
 そこで、公民館の管理運営の形態についてでありますが、社会教育法第28条には、市町村の設置する公民館の館長その他の職員は、教育委員会が任命すると規定されていることの趣旨から見ますと、現在は市が直接的に管理運営に責任を持つ形とすることが適切ではないかと考えております。 
 なお、近年の自治体を取り巻く状況から、数は少ないとはいえ、指定管理者制度を導入する自治体があることは承知しておりますので、公民館においての指定管理者制度の導入は、今後の課題ではないかと認識しております。 
 次に、2点目の中央公民館への市民の参画についての見解と充実策についてでありますが、議員御指摘のとおり、市民の参画は非常に重要な要素であると考えております。つまり公民館に集う市民や地域の団体、グループ等との連携など、市民の参画と協働を重視していくことが公民館運営をより活性化させていくことにつながり、そして、公民館での学びが地域に還元されることになるものと考えております。 
 次に、3点目の、市民参画の観点において、公民館事業推進委員会の評価と方向性についてでありますが、公民館事業推進委員会は、市民をメンバーとして構成される自主的運営組織で、市民の参画と協働により公民館講座事業の一部を市民の視点で担っていただいているものであります。市民メンバーで構成される当委員会は、積極的に学習課題を掘り起こし、新たな市民ニーズにこたえる学習活動を進める上で、大きな役割を担っていただいているものと認識しております。 
 そこで、公民館事業推進委員会の今後の方向性につきましては、市民の参画と協働の組織として、新たな市民ニーズにこたえ、公民館の目的に沿う市民の実際生活に密着した課題をテーマにした学習活動、事業展開を進められ、住民の自治能力の向上、市民力の向上を図っていただきたいと考えております。 
 次に、4点目のグループ活動の支援の充実策についてでありますが、中央公民館で活動される団体、グループで構成されます公民館登録団体連絡協議会は、各団体相互の親睦と公民館活動の発展、地域文化を向上させることを目的に設立されたもので、昭和47年から36年間、地域文化の振興等に寄与されてこられました。近年では、特別養護老人ホームでの交流など、地域との交流事業にも積極的に取り組んでおられますが、今後、さらに地域の文化振興や地域活動との連携を図られ、自立的に活動されることをサポートすることが極めて重要であると考えております。 
 次に、5点目の中高齢者支援の場としての充実策についてでありますが、議員御指摘のように、団塊世代を対象としました社会参加支援等の新たな課題への取り組みといった中高齢者支援、とりわけ高齢者支援は大きな課題であると認識しております。御承知のとおり、本市の高齢化率は現在県下では比較的若い部類の市とされておりますが、高齢化のスピードは全国平均を上回っており、高齢化が急速に進んでおります。 
 このような中、地域における新たな課題が高齢化の問題であり、また、団塊世代の問題であろうと考えております。このため、「団塊世代プロジェクト」とした取り組みを実施することとしており、団塊世代が主な対象の「地域健康づくり仕掛け人講座」を関係団体の協力も得ながら実施することとしております。 
 ちなみに、長野県の医療費が全国で最も低いことはよく知られておりますが、その要因の一つとして、長野県には多くの公民館があり、そこでの活動が高齢者の健康づくりに大変寄与しているとさえ言われております。中高齢者の生きがいづくりとともに、地域づくりやボランティアとしての地域参加を図るなど、中高齢者支援を充実してまいりたいと考えております。 
 最後に、6点目の子育て支援についてでありますが、公民館におきましても、子供の居場所づくり事業に積極的に取り組んできたところであります。今年度におきましては、子育て中の親と子が安心して交流できる場づくりとして、6月から「子育てサロン」を実施しております。この事業は地域の市民団体との連携により実現した共催事業でありますが、保育の有資格者などがボランティアとして参画し、親からの相談に応じたり、また、親同士が交流を深めたりするものであります。コーヒータイムで育児の悩みを出し合ったり、交流を深めたりしていただいておりますが、毎回40人から60人の親子が参加され、好評を得ております。 
 議員御指摘のように、これからの子育て支援、子供の居場所づくりを充実していくため、保育ボランティアの養成、あるいは地域の団体や保育グループ、また関係機関、団体との連携などを図ってまいりたいと考えておりますので、御理解と御支援をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。


総務部長(答弁)

私からは、本市のコンプライアンス、法令遵守の強化に関する数点の御質問にお答えをいたします。 
 公益通報者保護制度につきましては、議員御案内のとおりでございまして、平成16年6月に公益通報者保護法が制定され、平成18年4月に施行されております。公益通報とは、御案内のように、労働者が不正目的ではなく、消費者利益等を害する法令違反の是正のために、事業者内部、あるいは処分等の権限のある行政機関、報道機関や消費者団体など、被害の拡大防止等のために必要と認められるものに対して行う通報と定義されております。また、公益通報の対象となる法令は、国民生活の安心や安全を脅かす法令違反の発生と被害の防止を図る観点から、国民の生活、身体、財産等の保護にかかわる法律として定められた法律で、刑法や食品衛生法、道路運送車両法、建築基準法、労働基準法など、平成20年5月現在で419の法律が対象となっております。 
 こうした法制度の制定を受けまして、本市では、平成18年4月1日から伊丹市公益通報の処理に関する規則を定め、制度運用を行ってございます。 
 この規則では、大きく分けて2つの対応について定めております。 
 まず1つ目は、事業主の責務として、職員や委託業者の従業員等からの内部通報の手続と、その通報者の保護等について定めております。相談窓口及び相談員を設け、通報または相談が行いやすくするとともに、公益通報処理委員会を設置して、公平、公正な対応を行うこととしております。事務手続等につきましては、特に419の法律違反のみを対象とするものではなく、市の行政運営の適正化を図るため、広く通報を受け付けることとしております。 
 2つ目として、市が行政機関として処分または勧告等を行う権限を有する公益通報について、外部の労働者から公益通報を受け付け、処理を行うことについて定めております。この処理につきましては、その権限を有する所属において対応し、調査や必要な措置を講じることとしております。 
 現在までの取扱件数につきましては、平成19年度及び本年度ともに1件ずつで、合計2件となっております。この2件につきましては、いずれも本市が雇用している職員からのものではございませんでしたが、通報者とその雇用先との問題で、特に公益通報に該当する法律違反を通報するものではございませんでした。 
 次に、職員への周知につきましては、規則制定後の平成18年の8月の職員広報の第1面で、公益通報者保護制度の概要と相談窓口、相談員の案内を行ってまいりました。このPRの強化についての御提案ですが、職員の相談体制につきましては、この公益通報に限らず、メンタルヘルスやセクハラ相談など幅広く取り組んでおりまして、これらの相談案内の周知につきましては職員広報で毎月のように行っておりますし、公益通報につきましてもあわせて今後周知に努めてまいります。 
 また、市民の皆様へのPRといたしましては、平成18年9月の市広報掲載後、市のホームページにトップページのオンラインサービスとして公益通報のページを設け、そこから投書できる仕組みづくりを行っておりますが、単純に公益通報という言葉のイメージからか、ほとんどが公益通報者保護制度とは全く関係のない市への意見や不満が公益通報として寄せられているのが現状です。そういったことからは、公益通報を正しく認識していくPRも必要と思いますので、その方法について検討してまいります。 
 次に、公益通報処理委員会への第三者委員の導入についての御提案でございますが、この制度の目的が内部告発をした職員等の不利益等の取り扱いからの保護であることから、委員会の構成員として人事関係職員を充てているところで、通報者の秘密の保持を図る観点からも、限定的な委員構成が望ましいということでスタートしております。 
 また、内部で処理することについての不透明性の御懸念につきましては、通報者に調査の進捗状況や結果を報告することが義務づけられておりますことから、適正な運用ができるものと考えております。 
 御指摘いただきました費用対効果の観点からも、現段階では現行体制でと思っておりますが、案件によっては極めて高度な対応も推定されることから、相談員なども含め少し研究してまいりたいと考えております。 
 2点目の市役所内にコンプライアンス専門部署を設けることについてでございますが、先ほど申し上げましたように、公益通報者保護制度の対象となるような職員の内部告発に係る事案はこれまでもございませんでしたことから、また、元来、職員の法令遵守は地方公務員法で義務づけられており、人事担当部局が専門部署でありますことから、特にこの部分のみでの専門部署を設けることについては、職員配置の困難性もあり、現段階では考えておりませんが、議員御指摘のように、職員相談全般や訴訟事務の調整など、現在、本市では複数の課にまたがっている業務を集約することも、さらには危機管理の側面からも、一つの手法として研究する必要があると考えております。 
 ただ、本来的には議員御指摘のように、職員個々のコンプライアンス意識の向上に努めることが何よりも大切なことだと言えます。いずれにいたしましても、研修等により全職員の法令遵守の意識向上に努めながら、今後の行政需要と地方分権の推移を見きわめ、限りある職員数でのより機動的で効果的な組織のあり方を研究していきたいと考えております。 
 次に、3点目の職員の綱紀粛正の強化についての具体策についてでございますが、定期的な通達といたしまして、夏季及び年末年始を迎える前に、服務規律の確保に関する留意事項を通知し、部長会等でも各職員に周知を行ってございます。これ以外にもその都度必要に応じた通知、通達、例えば本年度は公金の適正な管理執行と道路交通法の改正にかかわる通達、また、これまでにも情報化社会における個人情報保護に関する通達や研修を実施し、職員への情報提供も含めて周知徹底を行っているところでございます。今後もくどいほどに繰り返すことで、職員一人一人の意識や倫理観に訴えていく必要があるものと考えております。 
 最後、4点目の包括外部監査の導入につきましては、地方自治法の規定によりまして、都道府県、政令指定都市、中核市に実施が義務づけられ、本市を含むその他の市区町村につきましては、条例制定により導入することとされております。 
 これまでも御答弁を申し上げておりますが、外部監査制度は行政外部の専門家の識見により、透明性の高い開かれた市政の実現を図るために有効な手法の一つであろうと考えております。昨年、平成19年7月に総務省が実施いたしました外部監査制度の導入状況に関する調査によりますと、平成18年度末で政令指定都市及び中核市以外の市区町村1775団体中、包括外部監査条例を制定しているのは13団体、0.7%、個別外部監査実施のための条例を制定している団体は52団体、2.9%にとどまってございます。しかしながら、議員御指摘のように、いわゆる監査は第三者性が高い方がより機能を充実、強化できるものと思われます。こうしたことからは、先行自治体に見られる費用対効果の状況でありますとか、現行の内部監査制度のあり方等も引き続き検証、研究していく必要があるものと考えております。 
 また、行政の透明性と明確化を図るということからは、行政評価の目指すところとも一致をしてございまして、当面は、現在積極的に取り組んでおります行政評価システムの深化を図ることが肝要と思っております。事前評価や事後評価で市の考え方などを詳細にお示しすることにより、さらには施策、事業の進捗等をお示しすることにより、市の施策、事業のありように関して、しっかりと外部の目で見ていただき、そして監査権を有する議会、その他さまざまな場面でこれまで以上に御意見や御指摘をいただくことにつながり、そしてそれが行政としての責任ある施策や事業遂行につながっていくこととなり、透明性の担保はもとより、市民の皆様に対する説明責任が果たせるのではないかと考えておりますので、外部監査制度の導入につきましては、それらをにらみながら研究してまいりますので、御理解と御支援のほど、よろしくお願いを申し上げます。


相崎佐和子(2回目の発言)

御答弁ありがとうございました。 
 まず、伊丹市役所におけるコンプライアンスについて述べさせていただきます。 
 御提案させていただきました事柄すべて前向きに検討していただきたいのですが、特に1点、公益通報者制度の周知ということについてはお願いしたいと思います。規則が定められてから現在までで件数が2件ということです。もちろん多ければいいというものではありませんが、やはり職員や市民の方々が、公益通報とは何だ、そしてどういうことができるのかということを御存じない方がやはりまだ多いのではないかと懸念するところであります。知らなければ価値は半減だと思いますので、お願いします。 
 そして、御答弁の中で、周知徹底について、職員広報の「ふれあい」などでPRをしていくという御答弁もありましたが、それもあと一歩かなと思うところでありまして、というのは、「ふれあい」は基本的に正規の職員さんがごらんになるもの。勤務先の法令違反というのは正規職員さんだけではなくて、もしかすると気づくのは嘱託職員の方かもしれませんし、アルバイトの方かもしれませんし、はたまた指定管理先の職員の方であるかもしれません。 
 最初の質問で、例えば大阪市ではコンプライアンスのカードをつくって、幅広く職員に配付しているということを申し上げましたが、こういった工夫もできるのではないかと考えるところです。もちろんカードは正規職員の方のみならず、広く嘱託職員やアルバイト、また指定管理先の職員さんなどにも配付をして、いつでもコンプライアンスについての確認や、また公益通報の窓口について確認できるようにしてもらって、皆さんが首から下げていらっしゃる名札の裏側に入れておけばいいのではないかと考えているところですので、ぜひそれは前向きに検討していただきたいと考えます。 
 いずれにしましても言えることは、何か起こってからでは遅いということです。ぜひ通常時からコンプライアンスの強化に努め、意識の高い伊丹市役所を進めていただくようお願いいたします。 
 次に、中央公民館のあり方について述べさせていただきます。 
 実は私は以前、中央公民館で勤務をさせていただいたことがございました。10カ月という短期間ではございましたが、非常に充実をし、心豊かに勤務をさせていただいていたものです。 
 私がなぜ公民館がいい施設だなと思って充実して勤務をさせていただいていたかというのは、3つの理由が今考えるとあったように思います。 
 1点目は、市民の方々が公民館の事業に深く参画をしておられて、その市民の方々と公民館が手を携えて事業を実施していくということが非常に充実をしていたからです。ですので、市民の皆さんの参画を目的とした公民館事業推進委員会というのは、今後も継続をして、さらに充実を図っていただくことを、これは切に願っております。また、それが公民館の発展につながるものだと確信をしております。 
 また、その推進委員会の事務局につきましては、委託の形態において複雑な面があるとも聞きますが、基本的に市民の参画をより一層推進させるためには、やはり専門の職員がいた方がベターだと私は考えておりますので、事務局についても線引きをはっきりさせて、存続、充実してくださいますように、これは前向きに検討していただくことを切に要望いたします。 
 私が公民館はよい施設だなと思っていた2点目の理由は、公民館を利用されるグループの皆さんが非常に生き生きと活動されている様子が感動的だったことです。皆さん、明るく積極的にグループ活動に励み、充実した生き方を謳歌しておられました。公民館はこのような皆さんを応援し、グループ活動を育成、支援していく役割があると思います。公民館は今後グループ活動の育成、支援にもしっかりと力を入れていただきたいと考えております。 
 そして最後に、私が公民館がよい施設だと感じていた最後の理由は、職員皆が協力し合っていたということであります。公民館にはさまざまな雇用形態の人がおりましたが、みんな公民館を愛し、高いモチベーションで気持ちよく仕事をしておりました。ぜひその様子、今後も継続し、皆が気持ちよく勤務できる職場づくりを進めていただきたいと願っております。 
 いずれにしましても、中央公民館のさらなる発展、充実を心から願っております。今後とも頑張ってください。 
 以上で私の発言を終了いたします。ありがとうございました。


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