平成21年 第1回定例会(第5日3月11日)

相崎佐和子(1回目の発言)

まずは1点目、公立保育所の民営化について伺います。
 来る4月、伊丹の市長選挙が行われます。それを踏まえて今この時期、特に伊丹市が抱える大きな課題について、市の見解、そして方向性をはっきりと示していただくことが重要と考えているところです。なぜなら、市民の方々は、伊丹の課題について、まずは市の見解や方向性を知って、そしてそれに賛同できるか否かを判断して、そして自分の考えに近い候補者に投票をするということになるからです。見解と方向性がわからなければ市民は判断することができずに、政治参画の一歩である貴重な1票をだれに投じていいのかわからなくなります。
 そして、特に私がはっきりと示していただきたいと考えているのが公立保育所民営化の方向性、そして幼保一元施設の導入についてであります。現時点では具体的な方向性がわかりかね、困っております。市長選を控えた今この時期に改めて確認をさせていただきたいと取り上げました。
 この課題について私は、これまで再三、発言をしてまいりましたが、いま一度見解を申し上げておきますと、公立保育所の民営化には固執をせず、就学前の子供全体の課題を総合的に踏まえて計画を立て直して、そして、よりよい方向性であろう幼保一元施設を推進していくべきと考えております。
 伊丹市は、保育所、公立幼稚園ともに大きな課題を抱えています。
 保育所は、待機児童の増加です。年々、入所希望がウナギ登りで、特にことしは100年に1度と言われる不況で全国的にも入所希望者が激増し、例えば東京の杉並区では前年度に比べて3割も入所希望者がふえたそうです。伊丹市でも4月時点では3年連続待機児童ゼロだったのが、ことしはどうやら待機児童が出る可能性があると聞きます。
 片や公立幼稚園では、園児数の減少が深刻です。伊丹市の公立幼稚園応募状況を見るに、平成11年の939人をピークに平成20年は679人と激減、定員割れしています。
 これらの課題に対して、今はそれぞれ単独で解決を試みている状態ではないでしょうか。保育所では新しく保育所をつくる、民営化をするなどの対策、公立幼稚園では統廃合を検討していくという対策。これでは、痛みを伴う対策を非効率的に行うことになってしまいます。
 ならば、双方の課題を総合的にとらえて、幼保一元施設の推進をしていくのが痛みも少なく、課題を一気に解決していける方向性ではないかと考えているところです。
 国でも幼保一元施設の一つである認定こども園を推進しておりまして、21年度、来年度4月からは安心こども基金として新しく認定こども園に補助金がつくことになりました。これまで議会答弁で国の動向を注視しながら、と続いておりましたが、国は大きく動きました。
 そこで伺います。公立保育所民営化、幼保一元施設について、市長選を前に市の見解と、そして具体的な方向性を改めてお教えください。市長さんに御答弁をお願いします。
 そしてもう1点伺います。市民への説明責任です。昨年末、保育所民営化がおくれるという旨の通達がありました。この情報は、保護者には1枚物のペーパーで告知をされ、次年度以降の入所希望には市役所の窓口で随時説明をしていくということです。これについて市民からは、大きな計画を変更したのだから広く市民に広報すべき、また保護者には説明会を行うべき、市長さん自身が説明をすべきではないか、ペーパー1枚では説明不足だ、などの声が上がっています。確かに、私も広く市民に告知すべきであり、保護者にはきめ細かに説明をすべきであったのではないかと考えるところです。これでは市民には届かないし、保護者は不安感が増すばかりです。
 そこで伺います。市民や保護者への説明責任は果たせているとお考えでしょうか、見解を伺います。
 以上、3点御答弁お願いします。

 では、次の質問に移ります。放課後の子供の居場所づくりについてです。
 皆さんは小学4年生の壁、小4の壁という言葉を聞かれたことはありますでしょうか。よく聞く小1の壁というのは、子供の保育が保育所から小学校の学童に変わることで保護者は育児と仕事の両立が困難になってしまうというものですが、小4の壁とは、さらにその学童もなくなって、さまざまな困難が生じるというものであります。
 学童、すなわち伊丹での児童くらぶは、小学校において保護者の就労、病気などで放課後に家庭で適切な保育を受けられない児童が、放課後などの過ごす場所でありますが、この児童クラブは基本的に3年生まで。理由は、4年生からはみずから時間を過ごすことができるということです。
 しかし、現在、大きな社会変化の中で子供が放課後を過ごす環境というのが大きく昔と変わっています。話はそう簡単には進まないのです。まず、遊ぶ環境が多く変わっています。地域コミュニティーは薄れ、治安は悪化し、遊べる場所が激減している今、実際の子供たちは、一たん家に帰って、あらかじめ約束をしておいたお友達と改めて落ち合う。外は遊べる場所がないし、安全ではないと言われているので、家の中でゲームなどをして遊んでいるというのが実情だそうです。
 こんな状況下、特に4年生以降は習い事を始める子が一気にふえるそうです。中学受験に向けて塾に通う子もふえるそうです。そして、当然この状況は共働き家庭の子供だけの問題ではありません。小学生全体の課題であり、親全体の不安要素なのです。
 そこで、放課後などに子供が気軽に立ち寄って遊んだり過ごしたりできる場所、つまり放課後の居場所づくりがとても必要なのであります。これは多くの保護者が熱望しています。何度も強い要望をいただきます。何とか居場所をつくっていってください。不安です。仕事も続けられませんという声は切実で、私も大変共感するところです。昔と今では状況が違います。子供が過ごす場所が本当にありません。子供に居場所を提供し、豊かな放課後を与えてあげたい、そう考えます。
 さて、この放課後の居場所づくりについて、国でも前向きに取り組んでいます。文部科学省の放課後子ども教室事業がそれで、厚生労働省の放課後児童健全育成事業、つまり、児童くらぶとあわせて放課後子どもプランとして総合的に放課後対策が打ち出されています。
 では、全国的にこの放課後こども教室の展開状況はどうなっているのか。全小学校で児童くらぶとは別に教室を展開している自治体が多くあります。兵庫県でも8つの市町が全小学校区で子ども教室を展開中。阪神間では、尼崎市、芦屋市が、以前からのケースの転用ではあるものの、全小学校区で実施をしており、尼崎のある小学校では昨年、文科省の表彰も受けています。また、川西市、宝塚市でも年間200日以上実施している小学校が幾つかあります。
 そして伊丹市、花里小学校と伊丹養護学校のみで実施ということで、少々寂しい状況であります。
 ちなみに兵庫県では、国に対して運営費補助制度の長期継続を要望しており、教室を新設する際は必ず補助金を出しますと聞いています。
 このような現状を踏まえ、放課後の子供の居場所づくりについて、さらなる充実と拡充を求めて以下、伺います。
 まず、放課後こども教室の実施校の充実です。花里小学校では、平成19年から放課後こども教室をモデル校として実施中。登録人数は現在72人、週1回、火曜日地域の方々の協力のもと行われています。スタートして1年半、課題として場所の確保、人材の確保が困難と聞きます。文科省が実施した状況調査で全国から寄せられた課題と同じです。実施にかかわる地域や保護者の方々の御努力には心から敬意を表するところですし、課題は十分に理解するとこではありますが、しかし、せっかく実施をしているのであれば、より充実を望むところです。
 具体的には、週1回の開催を2回以上に増加することはできないでしょうか。その場合、増加分については毎回何かの企画をする形でなくて、人員も最小限の見守りでもよいと考えます。
 なお、花里の日数増加については、平成19年9月議会の答弁で最終的には児童くらぶと同様の土曜日や長期休業中も含めて週6日の実施を目標に取り組んでいきたいとの答弁もありました。
 そこで伺います。花里小学校の放課後こども教室について、現状と課題はどう認識されていますか。課題の解決策はどのようなものでしょうか。実施日の増加を望みますが、可能性はいかがでしょうか、お教えください。
 続いて、放課後の居場所について、実施場所の拡充を伺います。先ほど来の放課後こども教室、花里小以外の小学校でも広げていくのが望ましいところです。課題が多いとは理解しますし、児童くらぶの充実が先決ではありますが、理想は拡充であります。
 そこで伺います。放課後こども教室のほかの小学校でも展開する方向性はいかがでしょうか、お教えください。
 そして、放課後の子供の居場所づくりは、何も学校内だけで進める必要はありません。学校の外でもどんどん展開したいところです。市内では現在、サンシティホールと北河原センターに居場所が展開されています。サンシティでは桜台地区コミュニティ協議会が実施しており、週1回の開催、北河原センターでは子供会が中心となって、主に土日に開催しています。このような子供が気軽に立ち寄って遊べる居場所がもっと必要です。子供は場所さえあれば何かして遊びます。まずはスペースの提供です。
 そこで伺います。学校外で子供の放課後の居場所をさらに広げていくことを熱望するところでありますが、見解はいかがでしょうか、お教えください。

 次の質問に移ります。よりよい自転車環境についてです。
 伊丹市は、自転車王国です。土地が比較的なだらかなこと、電車の駅が市東部に集中していることなどから、自転車やオートバイを利用する市民が非常に多いです。私も、ほぼ毎日自転車で市内を走り回っています。そんな自転車王国の伊丹、市民の方から自転車に関する御意見や御要望をお聞きすることがとても多いです。
 そこで、よりよい自転車環境をテーマに自転車に関して市民の方々からの御意見や私自身が感じていることなどから数点ピックアップをし、質問と提案をさせていただきます。
 まずは1点目、阪急伊丹駅周辺の一時駐輪について伺います。皆さんは、自転車で阪急伊丹駅に行って、少しだけ用事を済まそうとされたことはありますでしょうか。そのとき、自転車はどうされましたか。一時駐輪しにくくて困った経験はありませんでしたでしょうか。実情は以下のとおりと聞きます。ほんの少しの用事、例えば駅ビル内の銀行でお金をおろす、スーパーで買い物をする、レンタルビデオ店にビデオを返しに行くなど、その際、その場にさっと駐輪をして用事を済ませられれば早いのだが、違法駐輪は気が引けるし、駐輪指導の方もしっかり3時までは指導されている。駐輪場に入れるべきなんだけれども、多少手間がかかるし、何よりほんの数分の用事のために駐輪料金を払うのは複雑な思いがする。結局は、もう阪急伊丹駅周辺で買い物や用事をするのはやめよう、これが実情と聞きます。「阪急伊丹駅周辺の一時駐輪は、大変利便性が悪く、何とかできないか」とお声をいただくところです。
 そこで1点目、民間の駐輪場を新設することについて伺います。平成17年、19年の道路法施行令の改正を受け、阪急伊丹駅の周辺でも民間が新しく駐輪場をつくることを推進中です。提案者はリータ、伊丹ショッピングデパート、ターミナルデパートの3社、場所はリータなどの周辺、駐輪台数は当初計画で317台と聞きます。駐輪の形態は、とめてしばらくは無料で、時間がたてば自動的にロックがかかり、お金が加算される機械を導入と聞いています。
 この案については、景観上の課題や福祉との兼ね合いの課題などがありますが、しかし、一時駐輪の充実策として一定有効でもあります。売り上げが落ち込む阪急伊丹駅周辺の活性化につながり、また違法駐輪の対策にもなり、違法駐輪撤去費も削減に向かうことができます。
 そこで伺います。この民間の駐輪場の新設について、進捗状況はどう聞かれていますか。市は、この駐輪場にどんな見解を持っているのでしょうか。また、金銭的な面も含めた支援策についてはいかがでしょうか、お教えください。
 阪急伊丹駅周辺の一時駐輪について、もう1点伺います。市営駐輪場での一時無料駐輪の拡充です。阪急伊丹駅周辺には、市営の駐輪場が3カ所あります。このうち、地下駐輪場は、とめて最初の1時間は無料です。地下に入れるという手間はありますが、安心してとめることができます。この仕組みを、ほかの2カ所、すなわち西台駐輪場と船原駐輪場にも導入できないでしょうか。利用人数が少ないのではないかという意見もありますが、仕組みを取り入れておく価値はあります。少なくとも私は利用します。
 同時に、地下駐輪場の一時無料駐輪をもっとPRすべきではないでしょうか。聞くと、そんなサービス知らなかったという人が多く存在しました。PRの張り紙をするなど告知に工夫が欲しいものです。
 そこで伺います。地下駐輪場の一時無料駐輪のサービスをほかの2カ所でも導入できないものでしょうか。また、このサービスのPRを工夫することはできないでしょうか、お答えください。
 次に、自動二輪の駐輪について伺います。阪急伊丹駅周辺において自動二輪の駐輪場所は、1カ所、船原駐輪場のみです。自動二輪の駐輪場所をふやしてほしい、これも市民の方からいただくお声です。
 そこで伺います。自動二輪の駐輪場所を増加できないものでしょうか、お教えください。
 次に、交通安全教室について伺います。伊丹は自転車王国ゆえ、同時に残念ながら、自転車事故の多い地域でもあります。交通安全教室、自転車指導は、伊丹にとって非常に大きな大事なことであり、市民からの要望も多いテーマです。特に小学校、高校、地域での教室の増加・充実を望むところです。
 小学校は、1人で自転車に乗って移動を始めるときであり、指導が重要です。全小学校での漏れのない実施が必要ではないでしょうか。
 ちなみに平成19年の議会答弁では、自転車教室の小学校全校実施について検討をするとありました。
 また、自転車通学が多い高等学校でも指導が重要です。
 大人の自転車指導も大切です。地域で教室か開かれることなどが望ましいところです。
 そこで伺います。市内における交通安全教室、自転車指導の実施状況はどうなっていますか。特に小学校、高等学校、地域での増加・充実が必要と考えますが、いかがでしょうか、お教えください。
 最後に、ICタグ自動管理システムなどの導入を伺います。ここ近年、駐輪場にさまざまなハイテク管理システムを導入するところがふえています。例えば自動精算ゲート、伊丹でも一部導入済みですが、お金やカードを機械に通すと自動的にゲートが開閉します。また、自動収納システム、機械が自動的に自転車を収納してくれます。また、ICタグ、情報を記憶させた電子荷札、すなわちICタグを機械にかざすだけでゲートが開閉します。このようなシステムは初期投資が必要ではありますが、その後は管理の人件費が削減できる、利用料が値下げできる、盗難防止につながるなどのメリットがあります。
 そこで伺います。このようなシステムの導入について、伊丹市でも調査研究する価値があると考えますが、見解をお聞かせください。 以上、1回目の質問を終わります。


市長(答弁)

公立保育所民営化についての現時点における考え方についてお答え申し上げます。
 私は、4年前の市長就任以来、次の時代を担う子供たちが健やかに育っていく環境づくりについて伊丹の未来を託す「人づくり」ということで、市政の最重要課題として位置づけ、全力を傾注してまいりました。
 特に人間形成の基礎が培われると言われます就学前の子供たちでありますけれども、この時期は子供の育ちにとって極めて重要な時期でありまして、就学前児童施策については、その質、量ともに充実を図っていくことが必要であるというふうに考えております。
 幼稚園や保育所につきましては、いわば就学前児童施策の中核を担う施設として、その役割に期待が寄せられてるわけでありますけれども、議員も御指摘ありましたように、保育所では待機児童への対応が求められている、一方で幼稚園は園児が減少傾向にあるという現状は、このままではいかがなものかというのは御指摘のとおりでございます。
 こうした中で、保育の受け皿を確保しつつ保護者の方々の就労の有無にかかわらず、すべての子供たちに幼児教育・保育サービスを提供するための対応策の一つとして平成18年に認定こども園の制度が導入されたところでございます。
 この認定こども園制度につきましては、これまで運営に係る手続が煩雑であるとか、公的な財政支援が不十分であるとか、そうした課題が指摘されてきたところでございますけれども、現在、国におきましてもそういった指摘を踏まえ、具体的な見直し作業に着手しておるところでありまして、議員も触れられましたように、今般の第2次補正予算におきまして民間法人等が設置運営する認定こども園に対する補助金の大幅な充実が図られたところでございます。こうした措置がインセンティブとなりまして、本市におきましても認定こども園の増設が図られれば就学前児童の保育や教育の充実につながるものと私も考えておるところでございます。
 厳しさを増す地方財政の中で、安心して子育てができ、子供たちが健やかに育つ地域社会をつくっていくためには、地域の市民力や民間の活力を最大限に活用することが重要、そして、効率的な行政運営を進めていくという基本的な考え方はやはり必要ではないかと思っております。
 そういう面で保育所の民営化につきましては、これまでも御答弁申し上げておりますとおり、民間にお願いできるところは民間にお願いするという意味で、その方向性については変わりがあるところではございませんが、就学前児童のよりよい育成環境づくりには先ほど来、触れております国の制度改正を初めといたしまして、子供施策を取り巻く環境変化に適切に対応していくことが求められているというふうにも考えております。したがいまして、今後とも引き続き、国におきます次世代育成支援に係る制度の動向を注視しつつ、伊丹の子供たちにとってどうすればよいのかということを適切に判断してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
 その他の御質問につきましては、担当部長よりお答え申し上げます。


こども部長(答弁)

保育所民営化に関する御質問のうち、市民への説明責任についてお答えをいたします。
 保育所の民営化につきましては、平成19年10月に策定いたしました「伊丹市立保育所民営化計画案」で西保育所を平成21年度に、中央保育所を平成22年度にそれぞれ社会福祉法人に移管することをお示ししておりましたが、今年度に民営化に際しての諸課題への対応策を検討するための「(仮称)民営化具体的対応策検討会」を設置することとし、これにより、計画案にある移管時期を西保育所は22年度以降に、中央保育所は23年度以降とすることいたしておりました。そして今般、一昨年来、国において進められている次世代育成・子育て支援に係る政策の見直しの動向を見きわめ、本市の子供施策、保育施策に対する影響などを点検、評価する必要があり、これらの作業に一定の時間を要しますことから、結果として民営化の時期が少なくとも1年以上はおくれる見通しとなりました。
 このため、昨年12月にこうした状況を説明した文書を配布して保護者の皆様にお知らせするとともに、平成21年度から、保育所へ入所を希望される皆様には、窓口等において説明をさせていただいたところでございます。また、文書を配布いたしました後、保護者の皆様から寄せられた個別の御質問にも再度、文書で回答をさせていただいております。
 今後につきましては、民営化計画案の見直しや具体的な内容をお示しできる段階で改めて保護者、市民の皆様にお知らせをし、説明をしてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
 次に、放課後の居場所づくりに関する御質問にお答えをいたします。
 まず、御質問の花里小学校の放課後子ども教室の現状と課題、その解決策についての御質問にお答えをいたします。
 放課後子ども教室事業につきましては、議員御案内のとおり、各自治体でその地域性に応じ、さまざまな形で実施をされておりますが、その実施に当たってはボランティアがいない、開催日数が確保できない、実施母体の組織化が困難といった課題を上げる自治体も多い中で、それぞれが工夫をしながら進めている状況でございます。
 本市では、議員御案内のとおり、平成19年度から花里小学校と伊丹養護学校で実施をいたしております。
 花里小学校放課後子ども教室では、コーディネーターが中心となり、9名の地区運営委員と16名のボランティアの協力を得て多目的室において自発的な遊びに加えて、季節の行事にあわせた創作活動や異年齢による班別対抗の遊びなど、毎回その内容を工夫しながら進めていただいております。
 今年度の利用実績は、72名の児童が登録し、これまでに26回実施をされており、延べ887名の児童が参加をいたしました。
 参加した子供たちからは、異学年の友達と遊ぶ機会がふえた、子ども教室に行く楽しみができた、またボランティアからは地域の子供に対する意識、関心が高まったといった声を聞くことができ、一定の成果が上がっているものと感じております。
 しかしながら、議員御指摘のとおり、運営に当たる人材の確保や使用する教室の確保について課題があることも事実でございます。
 特に開催日数の増加など量的拡大を図っていく上では、場所の確保やさらなる人材の確保が欠かせません。このことにつきましては地区運営委員会でも課題として認識されており、対応策として保護者や地域の方々に放課後こども教室への理解を深めていただき、運営に積極的に参加していただけるよう学校だよりやPTA広報紙による広報活動を実施することや、地域の方々を対象に地区社協だよりによる周知を行うことなどが提案されており、今後、実施をする予定でございます。
 また、活動内容の充実策として週末などに実施されている地域の事業に参加し、交流を図ることなども検討していきたいと考えております。
 さらに、場所の確保につきましては、現在使用している教室だけでなく可能な範囲で運動場や体育館を活用し、「いたっボール」やドッジボールなど体を伸び伸びと動かすことのできる活動ができるよう、引き続き学校と十分に調整をしながら検討してまいりたいと考えております。
 次に、放課後の居場所の拡充についての御質問にお答えをいたします。
 本市では、「放課後子ども教室」事業の実施以前に、平成18年度から子供たちの生活圏内に安心して遊べる居場所を確保するため、地域の方々の参画と協働をもとにサンシティホールと北河原センターの2カ所で子供の居場所づくり事業を実施いたしました。
 この事業は、さまざまな体験活動や異年齢、異世代交流を通して、元気な子供たちを地域全体ではぐくむことを目的として開始されたものでありまして、具体的にはサンシティホールでは週1回、桜台地区コミュニティ協議会の協力を得て「さくらっこ子どもの居場所づくり事業」が実施されており、毎回30名程度の児童が参加をいたしております。
 また、北河原センターでは、地域の方々による実行委員会を設置し、週末を中心に「北っ子広場事業」が実施されており、児童の参加とともに保護者の方々の参加も多く見られます。
 これら2つの事業につきましては、安全・安心な子供の居場所づくりという趣旨が合致することから、平成21年度からは「放課後子ども教室」事業と位置づけることといたしておりまして、このようなことも含めまして、より一層地域バランス等を考慮した総合的な放課後の子供の居場所づくりを進めてまいりたいと考えております。
 そこで、議員御質問のほかの小学校での実施の方向性についてでございますが、小学校では35人学級の段階的な導入により、これまで以上に普通教室の確保が必要となっているところが多いのが現状でございます。このため、児童くらぶ室を確保することも非常に困難な状況になっておりまして、その上、さらに放課後子ども教室のために使用できる教室を確保するとなると、より一層困難な状況となってまいります。
 こうした状況のもと、放課後の子どもの居場所づくりにおける場所の確保については課題が多いのが現状ですが、児童館等、以前より子どもの居場所として設置されてる施設の配置や利用状況等も勘案しながら、今後も引き続き、放課後子ども教室を着実に進めるとともに、安全・安心な子どもの居場所づくりに取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきますようよろしくお願いいたします。


都市創造部長(答弁)

3点目の御質問、よりよい自転車環境についてのうち、阪急伊丹駅周辺の民間駐輪場の新設の御質問にお答えいたします。
 まず阪急伊丹駅周辺の商業の状況でございますが、当該地域には伊丹ターミナルデパート商業協同組合、リータ商人会、伊丹ショッピングデパート商人会の3つの商店会があり、約130店舗が商業展開を行っておられます。現在のところターミナルデパートとリータの2商店会で全86店舗のうち16店舗が空き店舗となっております。
 一方、伊丹ショッピングデパートでは、昨年7月にリニューアルオープンされ、これを機に来店客が増加し、現在も好調を維持していると伺っております。ターミナルデパートとリータの2商店会においてもその相乗効果が生じているとのことでございます。
 ただ、これら増加した来店客には周辺の歩道に短時間ではありますが、駐輪する自転車利用者も多く、バスの利用客や歩行者に大変御迷惑をかけている状況は商店会側もこれを十分認識しているところでございます。
 昨日の1番議員さんの駐輪対策に関する御質問に市民部長の方から御答弁いたしましたように、平成12年度の阪急伊丹駅地下駐輪場開設以来、駐輪指導や放置自転車の撤去など各種の対策が講じられたところでございますが、阪急伊丹駅周辺の3商店会から、こうした対策につきまして、ほかの駐輪禁止区域との違いや、商業の空洞化を招くことの原因、また健全に頑張っている商売の妨害につながっているなどといった厳しい指摘と御要望があり、関係者で協議しました結果、平成16年度からは午前7時から午後3時までの駐輪指導とし、午後3時以降は市民のモラルと商業者の自主的な駅周辺環境の保全対策にゆだねるとしたところでございます。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように、伊丹ショッピングデパートの特にそのリニューアルオープン後、阪急伊丹駅周辺店舗の購買力が戻りつつある反面、歩道への一時駐輪が増加しているのが現状でございます。
 これらの状況から3商店会としましては、購買客を安定的に確保し、中心市街地のにぎわいと商売に元気を取り戻すとともに、迷惑駐輪防止対策も講じる検討を行うため、当該3商店会と伊丹商工会議所、伊丹商店連合会、そして市で組織する阪急伊丹駅周辺駐輪場設置協議会を昨年立ち上げまして、今日まで8度にわたり協議や現場立ち会い等を行ってまいりました。
 その内容でございますが、先ほどの御質問にもありましたように道路法施行令が平成17年と19年にそれぞれ改正され、特定の民間団体が道路管理者から道路専用許可の交付を受け、歩道を活用して駐輪設備を民間所有のまま設置し、自転車駐車サービスを提供することが可能となりましたことから、この3商店会が事業主体となって周辺歩道にラック式の駐輪設備を設置・運営すべく計画されております。しかしながら、昨日の答弁にもありましたように、その計画内容は、いまだ時間を要して、確定をしておらない状況でございます。
 これに対しまして市の支援策としましては、平成20年度に充実をさせました商店街等活性化事業補助制度の整備分を有効に活用していただくとともに、課題解決に向けた協議にも加わり、商工会議所、商店連合会とも連携協力して指導・助言いたしております。今後とも引き続き、支援に努めてまいります。
 なお、最後に少し蛇足ではございますが、念のために申し上げますと、本件につきましては、あくまで商業者側からの商業活性化に向けた提案、動きでございまして、阪急伊丹駅周辺の駐輪問題の一部解消にはつながりますが、その根本的な解決とは少し別問題であると考えておりますので、御理解いただきますようよろしくお願いいたします。以上でございます。


市民部長(答弁)

私から、よりよい自転車環境に関する御質問のうち、民間駐輪場の新設に係るお尋ねにおいてお答えいたします。 
 まず、市営駐輪場での一時無料の拡充についてのお尋ねからでございます。 
 なお、答弁がお尋ねの順番とは逆になりまして、1時間無料のPRからとなりますので、御了承いただきたいと思います。 
 阪急伊丹駅地下自転車駐車場は、一時的に利用される方のため、ゲート精算機を導入して1時間無料で御利用いただいております。地下の駐輪場には、その旨の案内表示はしておりますが、議員御指摘のように、一層の利用促進を図るためにも、地下への出入り口など目につきやすい場所に案内表示を行い、PRに努めてまいります。 
 また、駅東側地下通路、地下駐輪場への途中にあります民間駐輪場は、2時間が無料となっておりますので、改めてPRしていただくようお願いしたいと考えております。 
 次に、西台駐輪場と船原駐輪場の1時間無料化についてお尋ねでございますが、現在、市内には駐輪場が市営で9施設、民間で7施設、計16施設あり、阪急伊丹駅地下駐輪場を除き、一時利用の場合、時間に関係なく1回100円で御利用いただいておりますことから、他の駐輪場利用者や周辺の民間駐輪場との関係も考慮する必要があります。そうしたバランスに配慮しながら、御提案のようにゲートシステムを導入しなくても円滑かつ安定的に実施することができるのか、あるいはゲートシステムを導入するとした場合、その費用対効果はどうなるのか研究する必要があり、今後の検討課題とさせていただきます。 
 次に、自動二輪車用駐輪場の拡充についてのお尋ねにお答えいたします。 
 現在、市営駐輪場のうち船原駐輪場、平松駐輪場、伊丹駐輪場の3カ所で自動二輪車を収容しております。他の駐輪場では、施設形態や出入り口の問題等により自動二輪車の駐車スペースを確保することが困難となっております。 
 しかしながら、自動二輪車の駐車需要が増加しておりますことは議員御指摘のとおりでございますので、宮ノ前地区地下駐車場におきまして、次期指定管理予定者と自動二輪車の駐車スペースの拡充を協議しており、来月、4月から約10台から15台の収容台数を増加させる予定をしております。 
 さらに、民間の自転車駐車場にも今日的ニーズに合わせた対応をお願いしてまいりたいと考えております。 
 次に、交通安全教室についてのお尋ねにお答えいたします。 
 まず、学校における実施状況でございますが、毎年5月に全17小学校の安全担当者が集まり、自転車の安全な乗り方の実技講習や信号、道路標識などの交通ルールの遵守を内容とする交通安全指導者講習会を実施し、この講習会を受講いたしました安全担当者が中心となって、各学校においてその実情に応じた安全教育を行っております。 
 また、警察と連携した交通安全教室を平成19年度は小学校5校、平成20年度では小学校2校において実施しております。 
 さらに、平成20年度は、トラック協会などの外郭団体と連携して児童と保護者を対象に自動車の制動距離に関する実験や車との衝突、内輪差による巻き込みの実演などを講習内容とする「三世代で楽しく学ぶ交通安全教室」が小学校2校において行われております。 
 今後とも児童生徒や保護者を対象とした交通安全教室や小学校教員を対象とした市の交通安全指導者講習会の充実、中学校、高等学校教員を対象とした県の交通安全指導者講習会の積極的な活用など、危険予測学習を取り入れた安全教育の一層の推進を図り、小・中・高等学校の児童生徒の実態に応じた指導に努めてまいります。 
 また、幼児の交通安全教室として、「うさちゃんクラブ」を私立を含めた幼稚園や保育所などの依頼に応じて開催しておりますとともに、警察や交通安全協会と連携して市民の皆さんを対象にした出前講座などにおいて実演つきの講習を行っております。 
 今後、特に子供さんや高齢者の方の自転車事故が多いことを踏まえ、事故防止に向けた啓発活動や交通安全教室の充実に努めてまいります。 
 最後に、ICタグ自動管理システムなどの導入についてのお尋ねにお答えいたします。 
 近年、自転車の利用増加とともにコインパーキングやゲートシステムのように時間単位での利用や1台ごとの防犯セキュリティー対策など利便性の高いシステムが導入されつつあります。 
 しかしながら、それらのシステム導入に関しましては、議員御指摘のようにメリット・デメリットの両面が見受けられますので、費用対効果などを調査研究し、総合的に判断してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いをいたします。


相崎佐和子(2回目の発言)

それぞれに御答弁をいただきました。
 よりよい自転車環境については、申し上げました提案、要望を前向きに推進よろしくお願いいたします。
 そして、公立保育所の民営化についてでありますが、市長選を控えた今この時期に、改めて方向性確認させていただきました。現時点での答えは承知いたしました。また今後、おいおいこれに関しては申し上げてまいりますが、この件に関して私が非常に気になっているのが市民への説明や対話が十分ではないのではないかということです。でしたので先ほどもピックアップしてお伺いしたわけですが、だからこそ市民、特に保護者は不安感がぬぐえないのではないかと考えます。保護者が一番不安に感じているのは、あるとき、一気に民営化がだだっと進んでしまうのではないかということが一番不安だと思います。そんな事態は決してないとは思っていますが、今後、民営化や幼保一元施設の話が何らかの形で動いていくことは間違いのないことで、その際には絶対に、市民へのきめ細かで丁寧で誠実な説明や対話が必ず必要になります。
 そこで再質問いたします。この公立保育所民営化の課題全体に関して、市民への説明と対話ということについて市はどうお考えか、お教えください。これ以上、市民や保護者を不安や不信に陥れることがないように市の決意をお聞かせいただきたいところです。
 なお、説明をすれば民営化を進めてよいということではございませんので、そこの辺は了承を願います。
 そして最後に、放課後の居場所づくりでありますが、願いは、居場所を広げ、子供に豊かな放課後環境を提供したいということでありまして、具体的な要望は、1、花里小学校での日数増加を含めた充実、そして2、学校外での居場所をもっと広げることです。特に学校外での居場所を広げていくことについては熱望しておりまして、再質問いたします。
 御答弁では、引き続き取り組んでいくということでしたが、具体的にはどんな可能性があるのでしょうか。パターンはさまざまにあります。児童館、それから公共施設、共同利用施設、商店街の空き店舗等々、検討の余地は大いにあるかと考えます。
 そこで伺います。居場所の拡充について具体的な可能性はいかがでしょうか、お教えください。
 以上、2回目の質問といたします。お願いします。


こども部長(答弁)

市民への説明責任に関する再度の御質問にお答えいたします。
 公立保育所民営化計画に係る説明につきましては、これまでも伊丹市立保育所民営化計画に関する懇談会における公開での議論、各保育所・園での説明会の開催や市民向け説明会の開催などの方法で情報を提供し、説明に努めてきたところでございます。
 しかしながら、説明が一方的で理解や納得に至らないといった御意見がありますことから、より一層、丁寧に説明を尽くす必要があるものと認識をいたしております。
 今後とも国の制度改正等の動向を見きわめた上で、具体的な内容をお示しできる段階になりましたら、その内容をわかりやすく説明することに努めるとともに、保護者や市民の皆様からの御意見をいただく機会も十分に設け、御理解をいただけますよう努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
 次に、放課後の居場所づくりにつきましては、議員御指摘のとおり社会教育施設や共同利用施設などについては恒常的に場所を確保していただくということについて、さまざまな調整が必要でありますことから、具体的な実施な実施の方向性は持ち合わせていないのが現状でございます。
 また、商店街の空き店舗の活用につきましては、経費等の課題がありますことから、まずは公共施設の利用を基本として、引き続き関係機関と連携協力し、子供の安全・安心な居場所の検討を続けてまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきますようよろしくお願いいたします。


相崎佐和子(3回目の発言)

自席から失礼いたします。まず保育所民営化に関しては、計画に固執をせず、就学前の子供全体をとらえて計画を立て直し、幼保一元施設を前向きに進めていくこと。そしてその際は、市民、特に保護者への十分な説明と対話を尽くすことを強く要望いたします。 
 また、居場所づくりに関しては、特に学校外でも居場所を広げていくことを強く要望いたしまして、私の発言を終わらせていただきます。


END