平成21年 第5回定例会(第6日9月24日)

相崎佐和子(1回目の発言)
 初めに、御報告ですが、私、去る7月24日に第2子となる女児を無事出産させていただきました。きょうで2カ月、おかげさまで母子ともに健康です。今後は出産や、また、これからの育児の経験を大いに生かし、より一層、議員活動に全力で邁進していく所存ですので、これからもよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 では、質問に参ります。1つ目の質問は児童くらぶについてであります。
 児童くらぶとは小学校において保護者の就労などにより放課後や長期休暇に適切な保育が受けられない児童を対象に開設している、いわゆる学童保育です。この児童くらぶ、伊丹市はこれまで諸課題の解決に力を注いでこられました。特に希望者全員入所とし、他市が待機児童を抱える中、伊丹市は待機児童ゼロというのは大いに評価するところであります。しかし、まだまだ課題はあり、その中でも特に大きなものが利用時間であります。今回は児童くらぶの中でも利用時間にテーマを絞って質問いたします。
 では、利用時間の何が問題なのでしょうか。それは終わる時間が早いということです。現在、終了時間は17時、夕方の5時までとなっています。しかし、例えば保護者がフルタイム勤務をしている場合、その時間に保護者は決して帰宅をすることはできません。子供は、自分で家のかぎをあけ、保護者が帰宅するまで留守番することになります。保育所では延長保育が19時まで、ところによっては21時まであったところが、小学校に上がると17時になり、保護者は仕事を継続することが困難になります。これが世間で言う小一の壁であり、ここに来て仕事を断念する保護者も多い現状です。
 そこで求められているのが利用時間の延長であります。利用時間の延長は、これまで多くの保護者から強い要望の声が上がっており、私も切実な声を多く聞くところです。議会でも要望の発言が繰り返されてきました。そして、私自身も将来、児童くらぶを利用させていただこうと希望している身として、延長を切に希望する1人であります。子供を1人で留守番させるのは心が痛んで仕方がないが、仕事を早く切り上げるのもどうしても無理と、多くの親子が困っています。利用時間が延長されるとどれほど多くの家庭が助かることでしょうか。
 では、利用時間の延長について近隣各市町の状況はどうでしょうか。結論から申し上げると、阪神7市1町で延長を実施中または準備中でいないのは、尼崎市と我が伊丹市のみであります。宝塚市と川西市は、いずれも昨年度から18時半までの延長をスタートさせました。三田市では、昨年度にモデルケース4校で実施し、大変に好評であったことから、今年度より全クラブで18時半までの延長がスタートしております。猪名川町では、もともとの終了時間が18時で、希望すれば19時までの延長保育が可能だそうです。また、西宮市では、昨年度にモデルケースとして4カ所で18時までの延長を実施し、今年度は延長時間の再検討をすべく一たん白紙に戻して、来年度からは全56カ所で19時までの延長を予定しているとのことです。また、芦屋市では、来年度から延長がスタートするそうです。芦屋市は学童保育が教育委員会の管轄なのですが、そのトップである教育長さんの一声だったと聞きました。つまり、阪神7市1町で延長を実施中、または準備中でいないのは尼崎市と伊丹市のみで、その尼崎市でも保護者アンケートの実施を考えているとのことでした。
 では、全国の状況はどうでしょうか。全国学童保育連絡協議会の調査によりますと、終了時間が伊丹市のように17時までなのは全国でたった7.7%のみです。一番多いのは18時までの48.3%で、18時以降の実施も33.6%もあります。これは19年度段階ですので、さらに数値はより17時までは少なくなっていると考えられます。
 このような状況からして、伊丹市でも、ずっとペンディング状態になっていた利用時間の延長をいよいよ具体的に検討すべきときが来たのではないでしょうか。
 では、次に利用時間の延長について想定される懸念事項と、その解決策や考え方について申し上げます。
 1つ目の懸念点はやはり財源です。延長するには当然、財源が必要ですが、その捻出方法として、1、指導員の勤務シフトの見直しと、2、延長料金の徴収の2点が考えられます。指導員の勤務シフト見直しですが、現在、指導員さんの勤務の開始時間は一律12時40分からです。しかし、児童の授業が終わる時間は曜日によって違って遅い日もあります。そこで、授業の終了時間に合わせて指導員の勤務シフトも組み直すのです。西宮市はこの方法で、昨年度のモデルケースの延長は財源ゼロで対応できたそうです。学習指導要領の改訂により、今後、授業終了時間がさらに遅くなることも踏まえると、伊丹市でも検討に値すべき方法ではないでしょうか。
 また、延長料金の徴収については、保護者の負担を求めることにはなりますが、希望者のみ料金を支払うという形態であれは、一定理解は得られると考えるところです。
 2点目の懸念事項は安全面です。特に冬場など暗くなってから子供が1人で帰宅するのは心配だという意見です。これについては、延長の際は保護者のお迎えが必要というシステムにすれば解消できます。逆に保護者が迎えに行くのでより安全とも言えます。
 3点目の懸念事項は長時間滞在の弊害です。つまり、遅くまで学校にいると子供が疲れてしまってかわいそう。保護者がもっと早く帰るべきだといった意見です。もちろん保護者が早く帰宅することができればよいのですが、現実それが困難なケースも少なくありません。また、経済的に困窮し、長時間労働が避けられない家庭も多くあります。本来は子育て中の親が早く帰ることができるといった多様性のある働き方が可能な社会になるのが望ましいところではありますが、現状そこまで残念ながら至っておらず、実際に困っている家庭が存在している今、救済措置を講じる、つまり利用時間を延長することは必須ではないかと私は考えます。
 さて、4点目の懸念事項は利用者が少ないのではないかということです。宝塚では、事前の保護者アンケートを行った際は、利用時間の延長についてほとんどの保護者がよいと思うと答えたものの、実際の利用は3割程度だ、ということでした。しかし、これも先ほどと同様で、ニーズは間違いなくあり、延長を必要としている家庭が一定存在するのであれば、取り組む必要はあると考えます。実際、宝塚でも利用者からは「大変に助かっている」、と感謝の声も多く上がっていると聞きました。また、具体的には、他市でも実施をしているように、延長実施の条件を5人以上の希望とすれば対応可能ではないでしょうか。
 懸念点を申し上げましたが、いずれも解決可能であると考えます。そこで改めて申し上げます。児童くらぶの利用時間延長について現在の17時からさらに延長することを強く要望いたします。
 そこで伺います。1、児童くらぶの利用時間延長について、これまでの議会答弁では検討を進めるとのことでしたが、進捗状況をお聞かせください。2、近隣他都市が次々に延長をスタートさせている現状、また、全国では17時までの学童保育は7%しかないことについての見解をお聞かせください。3、利用時間延長について、現在の見解と今後の方向性についてお教えください。
 では、2点目の質問に参ります。ヒブ(Hib)ワクチンについて伺います。ヒブ(Hib)ワクチンとは余り聞きなれない言葉かもしれません。これは細菌性髄膜炎という病気の予防ワクチンであります。細菌性髄膜炎とは、乳幼児がかかりやすい病気でして、ヘモフィルスインフルエンザ菌B型、略してヒブ(Hib)という細菌が髄膜に感染する病気です。年間600人から1000人の子供がかかり、そのうち、およそ5%は死亡し、20%に後遺症が残るという病気です。初期の症状が風邪と似ており、発見が難しいことや症状の進行が早いこと、一たん感染をすると死亡に至ったり、後遺症が残る確率が高いことなどから、非常に恐ろしい病気と言われています。
 この細菌性髄膜炎の予防ワクチンがヒブ(Hib)ワクチンであります。今から11年前の1998年にWHOで定期接種を推奨する声明が出され、現在は世界およそ120カ国で接種されています。これにより世界では、細菌性髄膜炎は、もはや過去の病気とも言われております。がしかし、日本はこのヒブ(Hib)ワクチン接種の後進国、大変におくれております。ヒブ(Hib)ワクチンが定期接種でないのは、先進国の中では日本のみでありまして、やっと昨年12月に厚労省が使用を許可し、国内での接種が可能となりました。現在、ヒブ(Hib)ワクチンを接種しようとすると、任意接種、つまり取り扱っている医療機関を自分で探して予約して接種する。そして金額は全額個人負担となります。
 このヒブ(Hib)ワクチン、大きな問題になっているのが料金が高いということであります。接種は1歳半までに4回の接種が必要なんですが、1回が7000円から8000円、掛ける4で合計およそ3万円がかかり、これが全額個人負担となります。経済的に厳しい家庭では、高額ゆえに接種を断念するケースも多く生じております。本来ならBCGなどのようにヒブ(Hib)ワクチンも定期接種として、日本の子供全員が無料で接種できるのが望ましいところではありますが、今、実際は任意接種の全額個人負担です。保護者の経済力によって子供の命に格差が生じているという憂慮すべき状況と言えます。
 そこで、接種の料金を一部負担する自治体もあらわれ始めました。7月現在までで24の自治体が助成制度をスタートさせています。そこで、伊丹市でもヒブ(Hib)ワクチンの助成制度を検討すべきと考えるところであります。
 さて、このヒブ(Hib)ワクチン、懸念点も上げられています。そこで、懸念点とその解決法や考え方について説明いたします。
 1つ目の懸念点は、国がまだ助成や定期接種まで認証していないということです。しかし、ヒブ(Hib)ワクチンはWHOでの正式推奨のもと全世界で接種されおり、国内でも医学界も推奨を明言しています。兵庫県の小児科医会でも強く明言しています。また、保護者を中心に国内でも定期接種や助成を求める声が相当に高まっています。
 このような流れから、今後、国も第2、第3ステップへ進むと予想されます。伊丹市が助成制度を実施することは非常に有意義だと考えますし、少なくとも国が現状より進んだ見解を示した際はスムーズに移行できるように調査研究を進めておくことは必須だと考えます。
 懸念点の2点目は財政です。幾らくらいの予算措置が必要か、ということでありますが、簡単に伊丹市で試算をしますと、まず市内で生まれる子供の数は年間およそ2000人、1人およそ3万円かかりますので、掛けて6000万円、任意接種ですので、3分の1が接種すると仮定して2000万円、市が接種料を3割助成すると600万円になります。つまり、助成率3割で年間およそ600万円が必要と、ざっくり試算できます。この600万円を多いととるとか、少ないととるか。また、この事業に充てることを妥当とするかは市の判断になりますが、私は有意義で妥当だと考えるところです。
 懸念点の3つ目は、ワクチンの不足です。現在、接種希望者が殺到し、ワクチンが足りない状態です。私も実際、市内で接種可能な医療機関に問い合わせましたところ、どこもおよそ半年待ってくださいと言われました。品薄なため現在は支給は1診療所に1カ月3本、1病院に10本までと規制がかかっているそうです。これは伊丹市で解決できる問題ではなく、市としては国に対して要望をしていくべきと考えております。
 第4の懸念は、副反応です。接種すると何か副反応があるのではないか、というおそれですが、兵庫県小児科医会によりますと、現在、定期接種となっている三種混合ワクチン、DPDPTと同じか、それ以下の発現率であるとのことです。安全性の高いワクチンと小児科医会が認めています。
 このように懸念点に対しては、いずれも対応が可能だと言えるところです。そこで改めて申し上げます。1、伊丹市でもヒブ(Hib)ワクチンの助成制度の導入を検討すること。2、すぐに実施できなくとも、調査研究を進めること。3、市内の接種可能な医療機関を把握しておくこと。4、市民からの問い合わせには対応可能にすることを要望するところであります。
 そこで伺います。1、伊丹市でヒブ(Hib)ワクチン接種についての問い合わせや要望の状況をお教えください。2、市内で接種できる医療機関は把握しているのか、お教えください。3、市立伊丹病院でのヒブ(Hib)ワクチン接種の状況をお教えください。4、伊丹市としてヒブ(Hib)ワクチン接種の助成制度についての見解と方向性をお教えください。
 以上、1回目の発言といたします。御答弁お願いします。


こども部長(答弁)

私からは、児童くらぶの利用時間の延長に関します3点の御質問にお答えいたします。 
 なお、北原議員の代表質問で既に御答弁いたしてる部分もございまして、一部重複するところをあらかじめ御了承いただきたいと思います。 
 子供は21世紀を担うかけがえのない社会の宝であり、子供を安心して産み育てる環境の整備や、子供自身が健やかに育っていける社会を構築していくことが我々に与えられた使命であると考えております。 
 こうした中、平成9年におきまして児童福祉法の改正によりまして、放課後児童健全育成事業として児童福祉法及び社会福祉法に位置づけられた放課後児童くらぶは、保護者が労働等により昼間家庭にいない保育に欠けるおおむね10歳未満の小学生の児童に対し、放課後等に適切な遊びと生活の場を提供し、その健全な育成を図るためのものでございまして、子育てをしていく上で大きな役割を担っており、その重要性はますます高まっていると認識いたしております。 
 そこで、御質問の1点目でございますけれども、児童くらぶの利用時間の延長の検討状況についてお答えしたいと思います。 
 これまでも議員から御紹介ありましたように、利用時間の延長につきましては、議会からも御意見をいただいておりますし、また、伊丹市学童保育連絡協議会からも児童くらぶの開所時間を1時間延長し、午後6時までに、という具体的な御要望をいただいてきたところでございます。 
 これまでの検討状況といたしまして、結論から申し上げますけれども、現在、児童くらぶに入所している児童の保護者の皆様を対象として、平日の延長保育の実施に関するアンケート調査を早々に行うべく準備しているところでございます。 
 次に、御質問の2点目の全国及び近隣他都市の状況についての見解でございますが、まず共通認識をとるために全国の状況といたしましては、平成21年2月24日に発表されました社会保障審議会少子化対策特別部会第1次報告であります「次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けて」によりますと、平成20年5月1日で、全国の児童クラブ数は1万7583カ所、登録児童数は全国の小学校1年生から3年生まで約353万人の2割程度の79万4922人で、その学年別の登録児童数の内訳といたしましては、1年生が28万3901人、約35.7%、2年生は24万8151人、約31.2%、3年生は18万2018人、約22.9%、4年生以上は8万852人、約10.2%でございます。 
 次に、平日の終了時刻の状況につきましては、17時までが約6.5%、18時までが約51%、19時までが約38.9%、19時以降が約3.6%となっております。 
 次に、近隣他都市の状況について、もう議員も御案内のとおりでございますが、近隣市で公設公営で延長保育を実施している市は、宝塚市、川西市、三田市でございます。先ほど御紹介ありました西宮市につきましては、指定管理制度が導入されているということもございまして、その40カ所のうち現在は4カ所の児童クラブでモデル実施をされておるということでございまして、本市と芦屋市が現在のところ検討中ということになってございます。 
 このような全国あるいは近隣都市における児童クラブの運営状況の中で、本市といたしましては、これは繰り返し申し上げることになりますが、基本的には家庭教育の観点からは親子の対話とか、親子の触れ合いなど、家庭で保護者が子供と接する時間をできるだけ多く充実させていただきたいな、というような強い思いを持っているわけでございますが、その一方で、御指摘にありましたように、昨今の厳しい社会経済情勢の中ではどうしても現行の終了時間では対応できない家庭があるということも承知しておるところでございます。 
 したがいまして、先ほども申し上げましたように、児童くらぶの時間延長に関するアンケート調査を早々に実施し、あわせて、先行都市の状況も参考にしながら新たな制度の具体的な検討に着手してまいりたいというふうに考えております。 
 なお、アンケート調査の実施に当たりまして、これも申し上げておりますが、あらかじめ御考慮いただきたい3点を保護者の皆様にお示しすることとし、そのことをご理解いただいた上で御回答いただけるようにしたいと思っております。その考慮いただきたい事項につきましては、1点目、18時までの延長保育を利用される場合には、児童の安全確保の観点から保護者に迎えに来ていただく必要があるということ。2点目は、受益者負担の原則から、通常の育成料とは別に延長保育に係る費用を御負担いただくこと。3点目は、利用児童数が極端に少ない場合に延長保育が実施できない場合があり得るということでございます。 
 また、現在の育成料につきましても、平成14年度に月額5000円に改訂して以来、据え置いてまいっております。平成6年度におきまして、伊丹市使用料・手数料等審議会の、いわゆる児童くらぶの前身でありました「伊丹市留守家庭児童会における保護者負担のあり方」についての答申において、受益者負担の原則を基本とするとしながら、人件費や維持管理費など、必要な運営経費から国、県の補助金を除き、その2分の1を負担していただくこととなっておりますが、現在では、公費と保護者の負担割合、これの1対1が崩れている現状にございます。 
 そこで、延長保育を実施する場合に当たりましても、新たな公費負担が生じてまいりますことから、今後、育成料につきましても議会の御意見を伺いながら、見直しを行うべきであると考えておりまして、あわせて保護者の皆様にも、今、検討している旨をお知らせしたいと思っております。 
 今後、国におきましては、「子ども手当」の創設により直接、子育て家庭を支援するといった新たな動きも出てまいりますことから、今回、検討しております延長保育の実施、あるいは育成料の見直し等につきましては、適正な受益者負担となるよう求めてまいりたいと考えております。 
 次に、3点目でございますが、児童くらぶの延長時間についての現在の見解と今後の方向性についてにお答えいたします。 
 基本的には伊丹市学童保育連絡協議会から18時までの延長保育という具体的な御要望をいただいておりますことから、これを基本にいたしましてアンケート調査を実施してまいりたいと思っております。また、アンケートの中におきましては、御希望の終了時刻の御記入いただけるようにしたいとは考えておりますが、終了時間についての保護者のニーズもそういった中で十分把握できるのかなというふうにも思っております。 
 今後、こうしたアンケート調査の集計結果によりまして、最終的な判断をしてまいりたいと思っております。 
 ただし、延長保育の時間を18時以降まで拡大いたしますと、先ほど来、議員から御紹介ありましたように、職員の時間差勤務で対応して、できるだけコストを下げるといった工夫が困難な状況になってまいりますことから、その延長保育料の算出につきましては、単に18時までの1時間当たりの延長料金に時間数を掛けるといったことにはならず、延長時間数に応じた職員配置に係る経費が必要となりますので、その旨もアンケートでは、あらかじめお知らせしておく必要があるかなと思っております。 
 今後、平日における延長保育が実施できる環境が整いましたら、これも組合等の協議もございますし、学校等の問題もございます。こういったことも十分話し合いをしながら、また議会とも御相談させていただき、可能な限り、新年度の募集時期に間に合うよう努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。


健康福祉部長(答弁)

私からは、ヒブ(Hib)ワクチンについての御質問にお答えいたします。
 まず、ワクチンとは、でありますが、感染症を予防するために免疫をつくる物質で抗体とも呼ばれており、病原菌から人体に害となる毒を取り除いたもの、あるいは弱めたもので、それを体内に入れることで逆に免疫をつくり、感染症に負けない体にする働きがあります。
 ヒブ(Hib)は、ヘモフィルスインフルエンザB型菌という細菌のことでありまして、頭文字をとってヒブ(Hib)という略称で呼ばれておりますが、冬に流行するインフルエンザとは全く別なものであります。ヒブ(Hib)は患者や健康な保菌者の鼻やのどからせきなどで生じた飛沫に含まれていることがあり、この飛沫を吸い込むことなどにより人の鼻や口などから体内に入り、鼻やのどの粘膜に付着、定着し、増殖しますが、そのままでは何の症状も起こさず、消滅してしまうことが多いようです。
 ヒブ(Hib)感染症へのかかりやすさは年齢によって異なり、新生児は母親からの移行抗体に守られているため発症は少ないものの、三、四カ月になると移行抗体が消滅し、罹患率が高くなります。2歳から3歳までは、自然免疫が発達し、あるいは無症状の感染により抗体を獲得することで発症率は低下し、5歳を過ぎると発症しなくなります。しかし、ヒブ(Hib)が血液や肺の中に侵入すると髄膜炎や敗血症・急性咽頭蓋炎などの深刻な病気を引き起こします。
 ヒブ(Hib)による細菌性髄膜炎は大変診断が難しく、初期は胃腸炎と全く区別がつかないことも多いものであり、5歳未満の乳幼児がかかりやすく、日本では年間600人以上の発病があるとされ、治療を受けても約5%、年間30人程度ですが、5%の乳幼児が死亡し、約25%、年間150人ぐらいでありますが、25%に知能や聴力障害、てんかんなどの後遺症が残ります。
 しかし、ワクチンにより確実に予防できるものでもあります。1990年代から欧米ではヒブ(Hib)ワクチンが導入され、2008年にはアジア、アフリカを含む120カ国以上で使用されており、WHOの推奨により2003年には94カ国で定期接種に組み込まれております。
 しかしながら、日本におきましては、平成19年1月26日に厚生労働省によってようやくヒブ(Hib)ワクチンの製造販売が承認され、平成20年12月に製品の供給が開始されたところであります。
 ワクチン接種につきましては、接種する年齢によりましては回数が変わるものでありますし、DPT、これは三種混合ですが、このDPTやBCGなどの予防接種と同時接種が可能であるとされております。望ましい接種スケジュールとしましては、生後2から7カ月未満であれば4から8週間の間隔で3回、1年あけて1回の計4回となり、生後7から12カ月未満であればヒブ(Hib)に対する抗体をつくる能力が少しずつ上がってきますので、4から8週間の間隔で2回、1年あけて1回の計3回となり、1歳から5歳未満であれば、乳児期と違い、ヒブ(Hib)に対する抗体をつくる能力が上がっておりますので、1回接種しただけで終了となります。5歳以上の児童につきましては、ヒブ(Hib)感染症自体がほとんどないので、接種は不要とされております。
 費用につきましては、任意接種となっておりますことから、全額自己負担となり、1回の接種で7000円から8000円程度必要となりますので、4回の接種を行うとなると、通常は3万円前後の必要がかかることとなります。
 まず、議員お尋ねの1点目のヒブ(Hib)ワクチンの接種についての問い合わせや要望の状況についての御質問でありますが、ヒブ(Hib)ワクチン予防接種について、やってますかとか、助成はあるのですか、という保健センターへの問い合わせは、知識として周知されていないことや対象が限られていることもあるとは思いますが、3カ月に1回ぐらいであり、数としては少ないと認識しております。
 2点目の市内で接種できる医療機関の把握についての御質問でありますが、現在、ヒブ(Hib)ワクチンの接種は任意接種となっており、一般小児医療機関での接種となりますことから、市内の医療機関での実施は可能であると聞いておりますが、ワクチン自体の供給量が非常に少なく限られておりますことから、予約をして接種する方法となり、実際に希望する方すべてが接種できているかどうか、また、どの程度の人数の方が接種されているかどうかにつきましては、把握できていないのが現状であります。
 3点目の市立伊丹病院での接種実施についての見解と方向性はについての御質問でありますが、市立伊丹病院では、本年1月からヒブ(Hib)ワクチンの接種を実施しており、希望される方につきましては、診断を受けていただいた後、接種をすることとなりますが、既に53人の方がワクチン接種をされております。
 次に、4点目の伊丹市としてのヒブ(Hib)ワクチン接種の助成制度についての見解と方向性についての御質問についてでありますが、議員御承知のように、ヒブ(Hib)ワクチンにつきましては、ショックや呼吸困難・血管浮腫などのアナフィラキシー様症状、けいれん、血小板減少性紫斑病、接種部位の膨張、発赤、発熱、不機嫌等の副作用が見られることがありますが、DPTの副反応発現率と同等か、それ以下とされております。また、製造過程でアメリカ産の牛血液成分を初期に使用するため、TSEのリスクを危惧されましたが、発売開始からの過去14年間に世界中で約1億5000万回の接種が行われており、このワクチン接種が原因でTSEにかかった報告が一例もないことから、接種前にインフォームド・コンセントを行うことで承認されることになったものであります。
 しかしながら、ワクチンはフランス国内で日本仕様に製造されますが、製造開始から出荷まで20カ月以上を要し、日本国内の輸入手続や輸入後の品質検査、さらに、約5カ月の期日を要するものであり、ワクチンの在庫が全国的に少ないため、現在は申請のあった日本全国の1診療所に一月につき3例分、1病院に対して一月に10例分までの供給しかできていないことから、病院に対して予約を行ったとしても枠を超える場合は待っていただくこととなり、病院によっては一、二年以上、待たなければ接種できない状況となっているとも聞いております。
 また、7月14日現在、公的助成を行っている地方自治体は4区、10市、7町、3村の24自治体となっており、開始時期につきましても、平成20年12月から初めて助成が始まっておりますが、ほとんどが本年度からの実施となっております。
 本市におきましては、予防接種法に定める定期の1類予防接種ではないため、国が積極的な接種勧奨を行っていないことや、副反応を含めた検討が必要であり、財源的な確保が必要であることなどから、公費負担を行っておりませんが、次世代育成の観点からも、子供たちを守っていくためには定期接種として、だれでも受けることができる環境が必要と考えておりますが、今後、ワクチンの効果や供給体制、副反応の発生状況、国や他市町村の動向などを注視しながら、必要な財源、接種方法、助成などを含めた調査研究を行っていきたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。


相崎佐和子(2回目の発言)

それぞれに御答弁をいただきました。
 まず、児童くらぶの利用時間延長ですが、来年度から延長スタートという方向性がかなり濃厚と聞かせていただきました。大変に感激をしております。心から期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、延長を実施する際には、何時まで延長をするかということもよく御議論をお願いいたします。というのも、延長の場合は保護者の迎えが必要とした場合に、18時だとか18時半だと早過ぎて迎えに行けないというケースが少なくないと聞くからです。先行している宝塚や川西でも、その時間では迎えに行くことができないので延長を利用できない、という声が予想以上に多かったそうです。西宮でも同様の声が多かったことから、再検討し、来年度からは19時まででリスタートすると聞いています。確かに阪神間から大阪や神戸に勤務をしていると、早い時間のお迎えというのは厳しいものがあるでしょう。私も当初は、とりあえず18時までの延長をと考えておりましたが、実態を聞いて何時まで延長を実施するかは慎重な検討が必要だと改めて考えているところです。せっかく延長を始めるということであれば、ニーズに合った体制を整えて、より多くの方が御利用いただけるようにできるのにこしたことはないと考えますので、そこは慎重に御議論、御検討くださいますようにお願いをいたします。
 さて、2点目のヒブ(Hib)ワクチンですが、子供がかかりやすい細菌性髄膜炎というのは本当に恐ろしい病気です。風邪と症状が初期は似ているために気づきにくく、症状の進行は早く、気づいたときには生死にかかわる状態になっていて、死亡に至ったり、後遺症が残る病気です。
 例えば、熊本の4歳男児の例では、これは有名な例なんですが、日曜日に家族でショッピングセンターに出かけていたときは元気で、はしゃぎ過ぎを父親にしかられるぐらいだったんですが、夕方にはぐったりしだして、夜に救急で搬送されて、深夜には心肺停止してそのまま死亡してしまったという例があります。また、1歳7カ月の女児の大阪の例では、前日まで元気におしゃべりをしていたのに、急に高熱が出て、小児科のお医者さんであったお母様が抗生物質を点滴したりと、適切な最善の処置を施したにもかかわらず、現在も脳死状態という例もあります。本当に聞くだけで胸が締めつけられて、親としては我が子だったら、と背筋が凍る話であります。
 そこで、この細菌性髄膜炎が予防できるならと、保護者の間でヒブ(Hib)ワクチンへの関心が非常に高まっております。インターネットでもママさんたちの間で、やっぱり受けた方がいいよねですとか、どこで受けられるのか、高いよねと、そういった話題が大変盛り上がっているところであります。私もママ仲間から相談を受けたりするところであります。
 そこで、追って1つ質問いたします。
 市では市民からのヒブ(Hib)ワクチンに関する問い合わせに対応は可能な状況なのでしょうか。といいますのも、実は先日、私、一保護者として保健センターに「市内でどこが受けられますか」と問い合わせましたところ、「センターでは把握をしていないので、各医療機関に問い合わせてほしい」とのことでありました。対応の雰囲気は非常によくて、さすが保健センターと感心をさせていただいたところだったのですが、やはりこのような問い合わせがほかにもあろうと予想されますので、やはり対応可能にしていただければと望むところであります。
 そこで再度伺います。市民からのヒブ(Hib)ワクチン接種に関する問い合わせに対応可能な状態にできるのでしょうか、ひとつこの点、御答弁をお願いいたします。


健康福祉部長(答弁)

ただいまの2回目の御質問にお答えをいたします。 
 情報収集するところによりますと、市内に40ぐらいの病院があるということではございますが、それも確定の数ではありません。ただいま御質問がありましたように、問い合わせがあった場合につきましては、的確に、適切に対応はできるように私の方で努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。


相崎佐和子(3回目の発言)

御答弁いただきました。ありがとうございます。
 市内の小児科病院はこちらのすくすくマップによりますと25カ所、市民病院と近畿中央病院を合わせて27カ所となっております。さほど数も膨大ではありませんので、状況の把握は困難ではないと考えるところです。私も全25カ所既に調査をしており、調べることは可能ではないかと考えるところです。
 市民の関心は高まっております。ぜひ市でも対応できるように早急に取り組んでいただきますようにお願いを申し上げます。
 ヒブ(Hib)ワクチンについて改めて要望いたしますが、まず伊丹市でもヒブ(Hib)ワクチン接種の助成制度の導入の検討を進めていただくこと。そして、すぐに助成制度と進まずとも、調査研究を進めていただくこと。また、市民の問い合わせには対応可能な状態にしていただくこと。そして、市内で接種可能な医療機関は把握していただくことを要望いたします。
 そして、ヒブ(Hib)ワクチン、行く行くは日本の子供全員が無料で接種できるのが望ましいところであります。そのためには、多くの方にヒブ(Hib)ワクチンに対する意識を持っていただくのも有効な一つの方法ではないかと考えるところです。ですので、伊丹市でも、そして皆さんもヒブ(Hib)ワクチンについて、これから関心や意識を持っていただければと思うところであります。
 児童くらぶに関しては児童くらぶの利用時間延長については重ねて申し上げますが、心より期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上で私の発言を終了させていただきます。ありがとうございました。


END