平成22年 第1回定例会(第8日3月12日)

相崎佐和子(1回目の発言)

皆さん、おはようございます。ただいま議長より発言の許可がございましたので、通告に従い質問をさせていただきます。よろしくお願いします。 
 早速、まず1つ目です。就学前の子供の施設について伺います。 
 先日から質問、答弁が繰り広げられているテーマでございますが、それらを踏まえながら私なりの質問をしてまいりますので、よろしくお願いします。 
 さて、先日、平成22年度の施政方針において、就学前の子供の施設について一定の方向が示されました。すなわち公立保育所民営化計画に変えて、利用が可能な既存の公共施設などを認定こども園制度を活用した施設へと計画的に整備するというものでした。 
 伊丹市において、保育所における待機児童の増加、また公立幼稚園の園児数減少は積年の大きな課題でありました。私も幼稚園、保育所を総合的にとらえ、既存概念にとらわれない長期的なビジョンをと申し上げてまいりました。このたび、そのビジョンが示されたことは大いに感慨深いところであります。課題解決に向けて、次のタームに進んだような気がしております。検討された庁内のプロジェクトチームにおかれましては、御苦労があったのではと想像するところでございます。 
 さて、今回提示された方針は、まだ決定となったものではなく、これから検討されるものであります。しかし、ともかく非常に大きな変化を伴う方針の提示でありまして、私も、そして市民の皆様も、現時点でも数々の疑問や不安を感じているところでもあります。 
 これらについて現段階での見解を確認させていただかねばならぬと質問をいたします。以下5点伺います。 
 まず1点目、市民の声をどのように吸い上げて生かしていくのかということです。 
 先ほども申しましたとおり、これからは市民の声を聞いて検討を進めていく段階です。市民の声を伺うツールとしてパブリックコメントがございますが、今回は非常に大きな変化を伴う方針でありますので、方向性が固まった段階で意見を聞くというパブリックコメントではなく、その前段階で広く柔軟に市民の声を吸い上げる必要があるのではないでしょうか。実際に意見を伝えたいとう市民の方々の声を既に多く伺っているところでもあります。 
 ちなみに、公立保育所民営化の議論の際に、市民、特に当事者である保護者の方々からは、我々の声を聞いてくれない、勝手に決められたとの意識を持たれた方もおられて、必要以上の不信感が発生していた感もございました。また、現場のヒアリングも不十分だったのではないかという声も聞くところでありました。 
 今回、市民の方々の意見をいかに吸い上げるかというのが一つの大きなかぎになると考えております。 
 そこで伺います。今後の方針の進め方として、市民、特に当事者である保護者や現場の幼稚園の先生、保育士の方々の声を吸い上げることが必須だと考えますが、いかにお考えでしょうか。 
 代表質問の答弁では、市民や事業所の皆さん、職員の意見を求めるとございましたが、具体的には何かお考えでしょうか。行政側から、例えば市民とのラウンドテーブルを活用する、市民対話集会や意見交換会を実施するなどが考えられますがいかがでしょうか。9月ごろには具体計画を示すとの答弁がございました。対話の場を設けるなら早急の事柄であります。前向きなお考えをお聞かせください。 
 2点目です。公立幼稚園の預かり保育、3年保育、公立の幼保園について検討内容と結果ということについてです。 
 これまで公立幼稚園の園児数減少と保育所の待機児童増加の課題を踏まえて、就学前の子供の施設がいかにあるべきかという検討がなされてきたわけでありますが、その際、さまざまなパターンがテーブルに上がってまいりました。私もいろいろ考えました。市民の方々からも多数の御意見が上がっています。中でもよく伺うのが3点、公立幼稚園の預かり保育、公立幼稚園の3年保育、公立の幼保園、これらはできないものかということであります。困難な点もありますが、一定の検討は必要です。 
 そこで伺います。公立幼稚園の預かり保育、3年保育、公立の幼保園については、いかなる見解を現段階でお持ちでしょうか。もちろん、これから市民を踏まえて検討をされるべきことでありますが、これまでの検討内容と現段階での見解を確認させてください。 
 3点目です。統廃合する公立幼稚園はどのように決定するのかということです。 
 どこの園を統廃合の対象にするのか、これは市民にとって最も気になり、疑問や不安を感じているところではないでしょうか。もちろん、まだ統廃合すると決定したわけではなく、ましてや具体的に園の名前が上がっているわけでもございませんが、しかし、今後この点が一番大きな争点の一つになるのは間違いないでしょう。 
 そこで伺います。もし公立幼稚園を適正規模、適正配置すると決定した場合、存続しない園についてはどのような要素でもって、どのような経緯を経て決定するのでしょうか、方向性をお聞かせください。 
 続いて4点目です。統廃合される園が享受するメリットはということです。 
 もし公立幼稚園が統廃合されることになった場合、一番デメリットを受ける人はだれかを考えました。それは地元に公立幼稚園がなくなる保護者ではないでしょうか。その際に、公立幼稚園が近くになくなるデメリットと同時に、それによって生じるメリットを提示することが必要だと考えます。つまり近くの公立幼稚園はなくなりますが、かわりにこんな子供にとってよりよい環境を整えますと説明できることが一つのかぎになるのではないかと考えています。 
 公立保育所民営化の議論の際に、保護者からは、民営化はデメリットばかりで、メリットもあると説明されるがどうもぴんとこないと、そんな声を伺ったところです。そこが保護者が民営化案に不安を覚えた要素の一つだったようにも思います。 
 そこで伺います。もし公立幼稚園の適正規模、適正配置を実施した場合、デメリットと同時に提示できるメリットはあるやなしや、あるのであればそれはどういうことなのでしょうか。メリットは認定こども園ができるよということなのであれば、保護者や幼稚園教諭などが納得できる内容を提示できるのかどうか、お教えください。 
 5点目です。気になる保育料の設定はいかにということです。 
 保護者負担も大いに気になるところです。想定している民間の認定こども園において、保護者負担はどのように想定をされているのでしょうか。 
 御答弁によりますと、保育所部分については、保育料は市の保育料基準を参考にして、かけ離れる場合には変更を命ずる権限があるとのことでした。これですと懸念される直接契約のデメリットが軽減され、一定納得するところであります。がしかし、懸念されるのは幼稚園の部分です。現在の公立幼稚園の保育料は月額9000円です。民営となった場合、園独自で保育料を決めることになりますので、この月額9000円よりアップする可能性があります。となると、統廃合になった園の近くに住む人は月額9000円で通える公立幼稚園が近くになくなるというデメリットが生じます。 
 そこで伺います。民間の認定こども園の場合、保育料はいかに想定されているのでしょうか。 
 月額9000円で通える近くの公立幼稚園がなくなる対象者については、いかに説明をお考えでしょうか。現段階での見解をお教えください。 
 続いて、2つ目の質問にまいります。 
 伊丹市次世代育成支援行動計画「愛あいプラン」後期計画について伺います。 
 この計画、未来を担う大事な子供たちが元気に安全に健やかに育ち、大空に羽ばたいていくようにしっかりと支援をしていこうというものです。熱い気持ちのこもった十分に内容の充実した計画にしたい、していかねばならないとの思いからテーマに上げさせていただきました。 
 さて、この計画は平成17年度から26年度の10年間が期間となっております。このたび前期の5年が終了しまして、この4月から後期の5年が始まります。そこで、このたび後期の計画案が提示されているところです。 
 この後期計画案、3つの柱が掲げられています。1、保育ニーズへの対応、2、発達障害児の支援、3、ワークライフバランスの推進とございました。私はこの3本柱、そのとおりだと考えます。高まる保育ニーズへの対応、療育が必要な発達障害児への支援、そして社会全体が働き方を見直すことがさまざまな課題解決につながるワークライフバランスの推進、この3点は、まさにこれから5年間で伊丹市がメーンとして取り組むべき子育て支援であります。それが明確に計画に示されているということは、とても評価でき大いに期待するところであります。 
 それらを踏まえて計画について2点お伺いします。 
 まず1点目です。病児・病後児保育について伺います。 
 この病児・病後児保育というのは、病気またはその回復期にある子供を保育しようという取り組みです。子供はとかく病気になりやすいものですが、保育所は病気の子供は預かってくれません。その子のため、ほかの子のため、それはもう仕方のないことです。 
 ですので、子供が病気になった場合、保護者は急遽仕事を休むなど、大変な対応を強いられることになります。仕事を持っていなくても大事な用事と子供の病気が重なった場合など、やはり対応に苦慮するところです。水ぼうそうなど長引く病気ですと、保護者はほとほと困り果ててしまいます。そこで助けになるのが、この病児・病後児保育です。私のみならず子供を持つ保護者からは、充実を希望する声を本当によく伺います。一昨年実施された次世代育成支援に関するアンケート調査でもニーズが高いことが明らかになっています。 
 この病児・病後児保育、現在、伊丹市では1カ所で実施中です。場所は北野にある「伊丹乳児院」で定員は2名となっています。 
 課題は2点ございまして、1つは、場所が市の北西部にあるために利用しづらい市民も多いということ、そして定員が2名と少ないということです。平成20年度の事業実績は年39日となっています。この利用実績の低さは利用しづらいからであって、潜在ニーズは高いと考えられます。充実が急がれます。 
 この病児・病後児保育について、次世代育成支援行動計画「愛あいプラン」には、前期計画にて現在の1カ所から2カ所にふやすと数値目標が掲げられていました。しかし、残念ながら前期では達成できず、今回の後期計画に再度2カ所に増設をして利用日数を1000日とするとの数値目標が改めて掲げられています。前期で達成できなかったのは残念ですが、後期計画に引き続き盛り込まれており、改めて期待をするところです。 
 子供が病気の際、本来は保護者が看護できるのが望ましく、その意味では社会全体の働き方が変わっていかねばなりません。ただ、社会意識の変革がそこまでまだ追いついておらず、当面困っている保護者や子供が生じている現状、病児・病後児保育の充実はやはり喫緊の課題だと考えるところです。 
 そこで伺います。まず、病児・病後児保育について、市の見解をいま一度、お聞かせください。そして、今後どのような流れで増設を進めていくのか、具体的な案やスケジュールはあるのか、お聞かせください。 
 充実策は、例えば駅周辺のビル内に設置をする、空き店舗を利用する、現在の定員をふやす、市民病院併設のみどり保育園を利用するなどさまざまなパターンが検討できます。柔軟かつ前向きに検討を進めていただきたいところです。 
 2点目、保育ママについて伺います。 
 保育ママ、耳にされたことはありますでしょうか。これは保育士や看護師などの資格を持ち、自治体の認定を受けた者が低年齢児を自宅で保育するという制度です。イメージとして、保育所は施設に子供を預けますが、保育ママは一般の家庭に子供を預けるとイメージしてもらうとよいかもしれません。保育ママは児童福祉法の改正により、家庭的保育として法的にも位置づけられておりまして、保育所不足を補うために全国およそ130の自治体で取り組まれております。近隣では西宮市などでも取り組まれておられます。 
 保育ママのメリットは2つございまして、待機児童の解消につながること、そしてきめ細かくアットホームな保育が実施できることと言われております。そして今回の愛あいプラン後期計画において家庭的保育、すなわち保育ママの導入が盛り込まれました。対象の子供を今後5年でゼロから80人にするとの数値目標が掲げられています。 
 私は、保育ママは待機児童解消の選択肢の一つとして検討に値すると考えています。しかし、心配する点も2点ございます。 
 1つ目の懸念は密室保育です。一般の家庭で1人の人間が保育をいたしますので、だれの目も届かない密室での保育になります。もちろんほとんどはすばらしい保育が実施されているところではありますが、例えば残念なことに数年前、世田谷区では保育ママが5カ月の乳児を強く揺さぶって赤ちゃんが重症を負ってしまったという事件もございました。不安が募るところです。 
 そして2つ目の懸念は、保育所の増設が後手に回るのではないかということです。待機児童の解消はあくまで保育所の充実が基本となるところです。厚労省でも保育ママは保育所における保育を補完するものと位置づけられています。保育ママを導入したから保育所の充実はもうよいだろうとなっては困るということです。 
 そこで、保育ママの導入については検討に値するものの、保育の質を担保することと保育所充実が後手に回らないということを強く願うところです。 
 そこで伺います。愛あいプラン後期計画に家庭的保育、すなわち保育ママの導入を記載しました、その見解をまずお教えください。そして、実施をするのであれば、保育の質を担保することと保育所充実を優先することが必須と考えておりますが、その見解をお教えください。そして導入の具体的な流れは考えているのか、それもお教えください。 
 以上で1回目の質問といたします。御答弁をよろしくお願いします。


こども部長(答弁)

私から就学前の子供の施設についての御質問のうち、市民の声をどう吸い上げ生かすのかと公立の幼保園の検討と結果について、さらには次世代育成支援行動計画(後期計画)についての御質問にお答えしたいと思います。
 最初にお断りしときたいんですが、これまで代表質問、個人質問を通じてずっと申し上げていることが多々あろうかと思いますので、その点もよろしくお願いしたいと思います。
 まず、幼稚園と保育所の今後のあり方につきましては、幼保連携の施設づくりを検討する上で、市民の声をどう吸い上げていくのかという御質問でございましたが、認定こども園制度を活用した施設の整備につきましては、今後、学校教育審議会等において公立幼稚園の適正規模でありますとか、適正配置の審議を経て、認定こども園等就学前児童施設検討プロジェクトチームでの検討結果をもとに、既存施設等の利活用策を固めるとともに、公立幼稚園だけではなく土地開発公社が保有する土地なども利用を想定しながら整備計画を立ててまいる予定でございます。
 この過程におきまして、市民あるいは事業者の皆様の御意見も伺い、また現場職員の意見も求めてまいりたいと、これまでも御答弁してきたとおりの考え方でございます。
 その具体的な方法について、先ほど議員からもありましたが、広く市民の皆様から御意見をいただく機会としてパブリックコメント制度を確立しておりますことから、これによることが一般的な手法とは考えますが、認定こども園制度についてまだまだ市民の皆さんに理解を求めなくてはいけない、深めていただきたいという思いもありますし、一方で賛成や反対やという御意見をいただくような形式ではなくて、むしろ市民の皆様からこういう園を目指してほしいとか、こういう園だからこそ意味があるんじゃないかという、もっと提案いただけるような、そんな機会が必要ではないかというようなことを思っておりまして、そういう機会、どういうふうに実現したらいいか、正直言って今のところ具体案を持ち合わせておりませんが検討すべきかなあというふうに思っております。
 事業者の皆さんにつきましては、これまでも本市の次世代育成支援行動計画「愛あいプラン」の特に後期計画の策定に当たりまして御協議いただきました伊丹市次世代育成支援推進協議会で、私立幼稚園連合会でありますとか幼稚園長会、それから私立保育所所長会、あるいは保育士会、保育所長会を代表する方々に委員として参画いただいておりますので、こうした場を活用してまいりたいと考えております。
 職員に対しましても、幼保の連携について今後の方向性、当然、十分周知を行った上、現場職員からの意見や提案というものを求めてまいりたいと思いますが、保育士の部分に関しましては、さきの反省といいますか、私の思いから、既にそういった周知は行動を移しておりまして、私みずからが説明し、職員に提案するよう声をかけさせていただいております。それも当日来れる保育士は全員参加していただいたという経緯を持っております。
 また、これまでも幼稚園、保育所双方の職員が交流、研修を重ねてきたというものがございまして、こうした活動の経験が得られる現場の議論、あるいはその議論の結果を計画に反映してまいりたいというふうにも考えております。
 次に、公立の幼保園の検討についての御質問がございました。
 認定こども園制度を活用した施設の整備、運営につきましては、基本的には民間の力を活用することを原則として考えております。これまでも御答弁繰り返しになりますが、地域性あるいは施設の立地、あるいはその利用ニーズ、経営の観点、もう少し言えばまちづくりの視点からの検討も必要かなあというふうに思っておりまして、整備、運営の主体は、これからの検討結果に基づいて適切に選択してまいりたいと思っております。
 続いて、次世代育成支援行動計画(後期計画)についての御質問にお答えしたいと思います。
 まず、病児・病後児保育についての市の見解ということでございますけれども、病児・病後児保育につきましては、保護者が安心して就労や子育てに取り組むために欠かせない事業であり、看護休暇制度など就労に係る条件整備とともに、子育てと仕事等の両立を図る上で充実が求められる保育サービスとして、そのニーズにこたえる必要があると認識いたしております。
 今般の次世代育成支援行動計画(後期計画)の策定に当たり実施いたしましたアンケート調査におきましても、就学前児童を育てる保護者への病児・病後児の保育サービスのニーズに関する質問に対し、回答者の約半数が過去1年間で子供の病気等により通常の保育サービスが利用できなかったことがあると回答され、父親、母親が仕事を休んだり、あるいは親族や知人に子供を預けたと答えた方が病児・病後児保育に対応する施設に子供を預けたいと思った日数、それをお聞きいたしますと、年間平均で5.9日という結果が出ているところでございます。
 このようにアンケート調査結果からは非常に高いニーズが見受けられましたが、サービスの供給につきましては、議員から御指摘いただきましたように、現在のところ伊丹乳児院1カ所での病後児保育に限った実施にとどまっております。延べ39日という平成20年度の利用実績は、利用ニーズは多くても実際には利用しづらい状況のあらわれかなあというふうにも見ております。
 病児・病後児保育を実施するには、御承知のように医師との連携でありましたり看護師の配置、あるいは専用保育室を設置するなどの条件整備が必要でございます。また、実際に子供をお預かりするには、あらかじめ医師の診察といいますか、診断書の提出なども必要でございまして、これらの手続の簡素化でありましたり、あるいは費用面での取り扱い、こういったことなどについて、伊丹市医師会とも協議をいたしているところでございます。
 議員からちょっと誤解ないようにお願いしたいのは、何もこれまで検討していなかったかのように思われているようですけども、そうではありません。御提案ありました、昨年は駅前につきましても、そういった床の利用についてもどうなのかといったこと、あるいは市民病院との連携というものにつきましても、当然、我々考え、また議論もいたしてきております。ただ、結果的に実現していないことだけをとらまえたらおっしゃるとおりかもしれませんが、決して何もしてないということはないことは、ぜひ御承知おきいただきたいというふうに思います。
 その上で、病児・病後児保育には施設整備などの初期投資、運営に係る経常経費など、市財政の負担も要することから、これらも勘案しながら、また利用者の利便性であったり市内における施設の配置などにも考慮して、充実に向けた具体的な検討、これはもう基本的にさきの方針どおり続けさせていただきたいと思っております。
 次に、家庭的保育、いわゆる保育ママに関する御質問にお答えをいたします。
 家庭的保育、いわゆる保育ママにつきましては、児童福祉法の改正によりまして法的な位置づけがなされ、保育士が自宅で子供を保育することについて制度的な保証が与えられたものでございます。
 次世代育成支援行動計画(後期計画)の策定に当たりまして実施いたしましたアンケート調査では、少人数での保育が中心の保育ママに対するニーズが一定数見られたことから、保育サービスの選択肢の一つとして後期計画に目標事業量を設定したものでございまして、保育ママの導入により保育所の増設が後手に回るのではないかとの御懸念につきましては、これまでも一貫して御答弁を申し上げておりますとおり、保育所待機児童の早期解消を目指し、認可保育所の増設整備による定員増員に最優先で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 現在、本市には保育ママの実績はございません。ですので、事業の実施に際しましては詳細な検討が必要かなあと思っております。
 具体的に申し上げると、市が家庭的保育者に遵守させる基準として、保育の実施場所及び設置基準、あるいは保育者の配置基準、あるいは保育の内容について厚生労働省令で定めるところの基準を当然満たした上で、情報提供の方法でありますとか、それに関する事項に関する取り決め、あるいは保育時間や保育料の設定を含めた実施体制、申請・認定などの保育実施のための手続、あるいは保育計画や保育記録の整備、食事等の保育内容、さらには家庭的保育者に対する研修などの支援体制、もう一つ言わせていただければ、連携する保育所の指定でありましたり、この保護者への対応、安全対策、会計管理の方法などなど多岐にわたる事項について、厚生労働省が示すガイドラインに沿って事業の実施に係る詳細を定める必要があると考えてございます。
 今後、制度上の基準や手続について、先行している他市の事例、御紹介いただきましたけれども、それらの研究もしながら制度設計を慎重に検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


教育委員会事務局学校教育部長(答弁)

私からは就学前の子供の施設についての御質問のうち、4点の御質問についてお答えいたします。
 伊丹市教育委員会は、公立幼稚園の就園者数が2年保育実施後、平成15年度をピークに減少傾向に転じ、一部の幼稚園において子供同士の交流や切磋琢磨の場を維持することが困難となり、遊びを通じた望ましい幼稚園教育環境を維持、活性化することが極めて困難な状況となってきていることから、平成18年4月、今後の幼児教育のあり方について、伊丹市学校教育審議会に諮問いたしました。
 具体的な諮問事項は、1、公立幼稚園の適正規模・適正配置について、2、幼児教育における公私の役割分担について、3、幼保総合施設についての3点でございます。その後、審議会では18回にわたる慎重な審議がなされ、平成20年2月に答申がなされました。諮問事項の3、幼保総合施設についてにつきましては、今後の就学前児童施策のあり方も含めた中での審議が必要であることから、福祉対策審議会との合同による審議がなされております。
 まず、1点目の御質問の公立幼稚園における預かり保育と3年保育につきましては、諮問事項2、幼児教育における公私の役割分担についての審議の中で議論がなされました。
 その結果、審議会答申では、預かり保育につきましては、「幼児の心身の負担への配慮や家庭との緊密な連携、保育室における家庭的な雰囲気づくりなどについて私立幼稚園の実践例も踏まえて研究しながら、今後も引き続き、検討を進めることが必要である。」との提言がなされております。
 また、3年保育につきましては、「本市における満3歳児からの保育については、私立幼稚園において先駆的な取り組みとしてすでに実施されているところである。」「民間活力を生かした都市経営が求められるなか、本市の幼稚園教育は今後も公私がそれぞれの特徴を生かしながら共に担っていくことを考えるとき、公立幼稚園における3年保育については、慎重な検討が必要である。」との方向性が示されております。
 教育委員会といたしましても、この答申の趣旨を踏まえる中で慎重に研究、検討すべき課題であると認識いたしております。
 次に、2点目の御質問の統廃合の公立幼稚園はどのように決定するのかについてでございますが、さきの学校教育審議会におきまして、諮問事項1、公立幼稚園の適正規模・適正配置についての提言において、「公私立幼稚園の設置状況や地域の事情、さらには幼児数の動向などを勘案すると、現時点では公立幼稚園17園を14園程度に統合し適正規模に整備することが望ましい。ただし、統合にあたっては、存続園以外の施設の利活用を同時に示すなど保護者や市民の理解を十分に得るよう努めることが必要であり、利活用については幼稚園からの転用という点を考慮すれば、『就学前の子どものための施設』とするのが適当と考える。」となっております。
 また、審議会では統合対象園についても具体化に向けた検討がなされました。しかしながら、諮問事項3、幼稚園と保育所の両方の機能を持つ幼保総合施設について、福祉対策審議会と学校教育審議会との合同での審議において、「先に創設された認定こども園制度が、施設類型によっては十分な保育内容が担保されないおそれがあること、直接契約のデメリットが懸念されること等の課題を抱える制度であることなどから、同制度の活用を前提とした推進策を講じることは現時点では適当でないと考える。」などとして、今後の検討課題と位置づけられました。
 このことにより、学校教育審議会では公立幼稚園の統合に当たって、存続園以外の施設の具体的な利活用については示されておりません。
 そこで、公立幼稚園を14園に統合することにつきましては、今後の検討課題と位置づけられております。このため、答申では、「適正なクラス人数の維持という観点から、4歳児、5歳児とも単学級の園で各クラス20人を割るような状況になった場合には、同様に、幼児数の動向や周辺の幼稚園の設置状況を見極めながら、公立幼稚園の統合も視野に入れて、適正規模を検討することも必要であろう。」という方向性は示されております。さらに統合に当たっては、存続園以外の施設の利活用は、幼保総合施設を最優先に検討することが望ましいとの考え方についても、あわせて示されております。
 今後は、公立幼稚園の適正規模への整備に向け、改めて学校教育審議会及び福祉対策審議会との合同審議により、望ましい就学前児童施策のあり方の視点も含めた審議を経て、認定こども園等就学前児童施設検討プロジェクトチームでさらに検討を重ねる中で決定されるべきものと考えております。
 次に、3点目の御質問、統廃合によって公立幼稚園の享受できるメリットについてでございますが、幼児期は人間形成の基礎が培われる重要な時期でありますことから、公立幼稚園を統合し適正規模に整備することで、一定規模の集団の中での群れ遊びやさまざまな体験を通じて、子供が健やかにはぐくまれる望ましい幼児教育環境を確保することが期待されます。
 一方、本市の就学前児童及び保護者にとってのメリットという観点から見ますと、存続園以外の園につきましては、認定こども園を初め就学前の子供のための施設としての活用など、さまざまな可能性が広がってまいります。
 このようなことから、改めて学校教育審議会において審議をお願いし、望ましい方向性を見きわめてまいりたいと考えております。
 最後に、4点目の御質問の公立幼稚園の統合により、その跡地に私立の認定こども園が設置される場合の幼稚園部分の保護者負担の設定についてお答えいたします。
 公立幼稚園の跡地に民間活力を活用した認定こども園が整備され、その幼稚園部分が認可されたものである場合、その保育料、入園料等は市内にございます私立幼稚園9園と同様に、設置者がみずから設定し県に届け出ることになっております。公立幼稚園と私立幼稚園の保護者負担の格差につきましては、従前より国の補助を得て実施いたしております私立幼稚園就園奨励費補助事業により是正を図ってまいりましたが、私立の認定こども園における幼稚園就園者の保護者に対しましても、同様の措置を講ずることにより是正を図ってまいるべきものと考えております。
 また、公立幼稚園の統合に伴い、近くの園がなくなる市民に対し、どのように説明するかとのお尋ねでございますが、園の統合により市内に幼稚園、保育所、認定こども園などさまざまな就学前児童施設が配置されることは、子供たちが安心して学び、過ごせる教育環境や安心して子育てできる環境づくりを進め、保護者の選択肢も広げることとなり、本市の幼児教育、就学前児童施策の充実につながることが期待されます。したがいまして、このような取り組みについて十分な説明責任を果たしてまいりたいと考えております。
 公立幼稚園の統合を初めとする一連の取り組みに際しましては、市民の幅広い層から意見を伺い、市民理解に努めながら認定こども園等就学前児童施設検討プロジェクトチームの中で、こども部との十分な協議を通じて、望ましい幼児教育環境の整備に取り組んでまいりますので、御理解いただきますようお願いいたします。


相崎佐和子(2回目の発言)

それぞれに御答弁をいただきました。ありがとうございました。
 就学前の子供の施設についてですが、現段階では大枠の方針が打ち出されたところで、すべてはこれからの検討でございますが、いずれにせよ、この方針は非常に大きな変化を伴うものでございまして、現段階で確認させていただかねばならないことがあるとの思いから質問をさせていただきました。当局におかれましては、なかなか明言できない部分もあったであろう中での御答弁、感謝するところであります。
 これから検討が進められていく中で、恐らく市民の方々からは非常にたくさんの声が出てくると想像します。特に公立幼稚園の適正規模・適正配置が決定をして、存続しない園の名前が具体的に上がってきたりしてまいりますと相当のお声が出てくるでしょう。平たく言えば、どうしてうちの地元の幼稚園をなくすんだというような相当の反対の声が出てくると想像するところであります。
 そこで、いずれにしましても、これから特に教育委員会におかれましては、相当に大変なことになるかと存じます。かぎになるのは、まず市民の方々の声を胸襟を開いてしっかりと受けとめること、そして誠意ある十二分な説明や意見交換をすることだと考えます。
 ちなみに西宮市では、昨年、公立幼稚園を統廃合して21園から15園にしようという計画が打ち出されました。がしかし、反対意見が噴出しまして、パブリックコメントでは提出人数1万4928人、意見件数2万2888件もの、もうよくわからないような数の意見も集まりまして、結局、計画を再検討する事態になったと聞いております。このような事態はできれば避けたいところです。また、伊丹市での公立保育所民営化の議論のときのような混乱は、市民のためにも、また行政側のためにも避けたいと願うところです。
 そこで再度確認をさせていただきます。事教育委員会におかれましては、今後、市民の方々から多くのお声が上がってくるであろう中で、皆さんの声を正面から受けとめること、そして誠意ある対応や説明が必要と考えるところですが、そのことについての見解、また御覚悟や決意といったところのほどを、いま一度お聞かせください。
 以上、2回目の質問とさせていただきます。よろしくお願いします。


教育委員会事務局学校教育部長(答弁)

私からは公立幼稚園の適正規模・適正配置の実施に当たり、市民の皆様に理解を求めていく上での見解等についてお答えいたします。
 公立幼稚園の適正規模・適正配置に向けた取り組みの推進につきましては、就園人口の減少傾向に歯どめのかからない状況の中で、人間形成の基礎が培われる重要な幼児期における幼稚園教育環境の維持、さらには活性化を図ろうとするものでございます。
 このことを踏まえ、さきの学校教育審議会におきましては、公立幼稚園を統合することによる適正規模、適正配置の方向性が示されております。
 改めて今後の幼児教育のあり方を考えますときに、幼児期の子供にとって望ましい教育、育成環境の整備は最重要課題でありますことから、再度、学校教育審議会において審議をお願いすることとなります。
 さきの学校教育審議会の答申を基本にしながら、公立幼稚園の統合等により適正規模・適正配置を推進することになれば、存続園以外の園施設の利活用につきましては、福祉対策審議会との合同の審議をお願いするとともに、パブリックコメントなどにより地域並びに市民の意見を十分に聞きながら、一方で、こども部との十分な協議のもと、市民理解の得られる方向性を定めてまいりたいと考えております。
 そのような考え方のもと、その方向性が定まりました際には、あらゆる機会をとらえて説明責任を果たしながら、伊丹の未来を託す人づくりを推進するという強い信念のもと、その実現に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますようお願いいたします。


相崎佐和子(3回目の発言)

就学前の子供の施設について、すべてはこれからの検討の事柄でございます。細かい点につきましては、今後、私も随時、要望等を申し上げてまいりたいと張り切っておりますので、よろしくお願いします。
 現時点で私が要望したいのは、大きなところで2点でございます。
 1つは、市民の方々の意見を広く吸い上げる機会を設けるということです。皆さんの意見を十分に吸い上げたというステップを踏むことは、とても大事なポイントになるのではないかと思っております。これについては、こども部から前向きな御答弁をいただきました。どのようなパターンで実施するかは知恵が必要なところでございますが、ぜひ踏まえていただくことをお願いいたします。
 2つ目の要望は、そうして出てきた市民の方々の声には誠意を持って対話をするということです。さまざまに厳しい声も出てまいるでしょうが、いかに向き合うか、これも大きなポイントになるかと思います。これについては教育委員会に強く確認をさせていただきました。よろしくお願いします。
 市民、保護者、幼稚園関係者、保育所関係者、行政、教育委員会、かかわるすべての人々の願いは一つで、子供にとって、よりよい環境をということではないでしょうか。子供にとってよりよい環境、これを軸にし、ぶれることなく進めていくと皆で同じ方向を向いて一丸となって取り組んでいけると考えます。私も一緒になって頑張ってまいりたいと思っております。
 伊丹市の子供たちのためにすばらしい施設づくりが進んでいく明るい未来を期待いたしまして、私の発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。


END