平成22年 第4回定例会(第4日 9月22日)

相崎佐和子(1回目の発言)

ただいま、議長より発言の許可がございましたので、いたみ未来ネットを代表し、通告に従い質問をさせていただきます。よろしくお願いします。 
 早速質問に参ります。一つ目は財政についてです。このたび、平成21年度の決算が明らかになりました。歳出は市税収入297億7939万円で、前年度に比べ5.3%の減、特に法人市民税は17億7286万円で、前年度比40.7%の大幅減少、歳出は人件費こそ期末勤勉手当や退職金の減少などにより前年度比6.9%減となったものの、扶助費においては生活保護費増加や福祉サービス充実により8.2%の増となりました。また、財政基金は額面で35億2047万円あるものの、病院事業会計へ25億1000万円、下水道事業会計へ3億1000万円の長期貸し付けを除くと、実質の残高は7億47万円です。また、特別会計は国民健康保険事業、宮ノ前地区地下駐車場事業、公設卸売市場事業、そして企業会計の下水道事業と、依然厳しい状況が続いています。想定していたものの、やはり厳しい決算内容です。景気回復の兆しが見えない中、市の財政状況も引き続き厳しさが継続するであろうと予想されます。伊丹市民が安心に安全に、そして心豊かに生活を営んでいくために、市は適正な行財政運営に一層励まねばなりません。 
 そこで伺います。市として今後の行財政運営にいかなる見解をお持ちでしょうか。また、歳入アップ策、歳出ダウン策についていかに検討をしているのでしょうか。具体的な方向性はあるのでしょうか。現在、来年度からスタートする新行財政改革プランについて、行財政改革推進懇話会を実施し、諸事検討中ではありますが、現段階での見解をお教えください。 
 次の質問に参ります。第5次総計についてです。第5次総計は平成23年度、来年から10年間の伊丹市の将来像やまちづくりの方向性を定める市で最上位の計画です。これまで計画策定に向けて、市民アンケートや地域懇談会の実施、市民版基本構想の策定、総合計画審議会の実施とさまざまな場で検討が行われてきました。そして、今議会、第5次総合計画の基本構想案が議案上程されました。議会も責任を持って十分に審議させていただかねばなりません。 
 そこで、以下質問いたします。まず、全体的な表記方法において、期限、目標指数、優先順位などは記載しなかったのかということについてです。総合計画は地方自治法第2条第4項において自治体に策定が義務づけられています。がしかし、表記方法についての規定はありません。そこで、多くの自治体では長期間の計画であることからも総合的な文章で表記をしていました。しかし、抽象的、総花的でわかりにくいとの声もあり、昨今では期限や目標指数や優先順位などを可能な範囲で記載する自治体が増加してきました。尾道市、春日井市、桑名市などでは基本計画の段階で目標指数を掲げ、また弘前市では事業に優先順位をつけています。具体的に明示されているため、わかりやすい計画となっています。政治の世界では、政党や首長がマニフェストやアジェンダとして具体的数値を記載したものを発表しており、自治体の総合計画もその方向性が取り入れられているのかもしれません。 
 翻って伊丹市です。今回の総合計画案では基本構想や基本計画に数値的なものは書き示されておりません。10年という長期スパンであるため明確で具体的な予測は立てにくく、また事業によっては数値であらわしにくいものもあることは理解します。しかし一方で、抽象的であいまいな表記にとどまりわかりづらいということも否めません。 
 そこで伺います。第5次総計の表記方法について、基本構想と基本計画に具体的な期限や目標指数などをなぜ盛り込まなかったのか。これから策定する実施計画にはどんな形で具体的数値を盛り込むのか、いま一度確認をいたします。見解をお教えください。 
 次に、計画案の中身について、特に気になる4点を伺います。まず、地域自治についてです。計画案の基本目標1の3の1では、「小学校単位の地域組織づくりを支援するとともに、条例においてその位置づけを明確にします、また、この計画の地域版ともいうべき地域ごとの将来ビジョンづくりを支援します。」「将来ビジョンに基づく地域組織の自立的な活動を支援する制度をつくります。」とあります。確かに、地域主権、住民自治はこれからの時代求められていく方向性でありましょう。住民みずからが主体となって協働し、まちづくりを進めることはますます重要です。総合計画に記されている住民自治の理念は異論のないところです。 
 が、気になるのはその具体的な進め方であります。確かに、昨今、ほかの自治体では先進的な地域自治に取り組むところもあらわれています。話題のところでは名古屋市でしょうか。市長が選挙時に掲げたマニフェストの一つが住民自治で、その内容は地域委員会なる組織を地域ごとにつくる、委員は住民の選挙によって選出する、委員は無報酬、権限と同時に財源も移譲するというようなものと聞いています。そのほかにも東京都三鷹市、愛知県豊田市、新潟市上越市、三重県伊賀市、三重県松阪市など多くの自治体で進められています。 
 そして伊丹市です。本年6月議会では、「市は条例により組織の位置づけや複数団体から成る組織構成であること、民主的な役員選出制度、監査体制を整えること、情報公開など、その組織が備えるべき要件を定めることが必要かと考えている。」と答弁がありました。総計の基本構想にある地域主権、住民自治の理念はそのとおりでありますが、仮に伊丹市が名古屋市のような地域自治区を推進するのであれば、さまざまな課題も考えられるところです。 
 その課題の1つ目は単位についてです。基本構想では小学校区が単位となっていましたが、果たして伊丹市の場合、それが妥当なのでしょうか。先ほど申しました先進自治体では、市域が広く、地域性もバラエティーに富んでいるところが多いようでした。豊田市や上越市では大型合併によって市域が広大となり、地域性もさまざまになったことを機会に住民自治区が始まったと聞きます。松阪市も合併が機会で、地域性の違いを生かし、山間部では地元産野菜で農産物ブランドをつくった、市街地では花いっぱいにする運動を始めたと聞きます。また、自治区の単位について、豊田市では中学校区単位、三鷹市では独自で定めた7地区というように実情に合わせてさまざまなようです。 
 翻って伊丹市では、市域は25平方キロと比較的コンパクトで、地域性もさほど変化に富んでいるとは思いません。そんな中、小学校単位でどこまで独自性を出していけるかと感じるところです。想定中の地域ビジョンもどこまで特色づけていけれるでしょうか。伊丹市の規模と地域性を勘案しますと、どこまで独自性を出して自治を進められるか、またその単位は小学校区が妥当なのかは熟考が必要です。 
 2つ目の想定される課題は人材です。伊丹市では現在、自治会、まちづくり協議会、地域福祉協議会などで多くの方々が頑張ってくださっています。しかし、人材の高齢化と後継者不足に悩まされているといつも伺うところです。というのも、地域活動の内容は多岐にわたり、大変忙しいため、担い手はどうしても時間的にある程度融通がきき、体力的に元気である方に限られてきます。勤労、育児、介護などで時間的に制約のある方は、その思いがあっても参画しづらく、実質は定年後の男性が担い手の中心で、年齢や健康面で御苦労も多いと伺うところです。 
 このように、ただでさえ高齢化と人材不足が課題である中、今以上に地域に権限が移譲されるとますます忙しくなり、ますます担い手がいなくなると予想されます。熟考すべき課題です。 
 3つ目の課題は議会との関係性です。構想中の住民自治区のあり方は、議会のあり方とも重なってまいります。進めるなら議会制度自体を含む住民自治区と議会のあり方の整理が必要です。全国では住民自治区の担い手を立候補制とし、地域投票を行うという自治体もあるようです。伊丹市では、本年6月議会で「民主的な役員選出方法も視野に」とありましたが、もし伊丹で立候補制を導入するなら、ますます議会との区別について熟考が必要です。 
 4つ目の想定し得る課題は財源です。住民自治を進めるなら、やはりそれなりの財源が必要でしょう。権限を渡すなら財源も渡さねばと思うところです。住民自治を広げていくなら事業にもお金がさらにかかりましょうし、担い手への報酬も検討が必要です。地域への財源については幾らをどんな形で渡すのかについて、これも検討が必要です。 
 5つ目の課題は公の責任です。言うまでもなく、公、つまり行政はサービス提供に一定の責任を持っています。地域自治の理念はそのとおりなのですが、どこまでを地域で進めていただいて、どこまでを公が責任を持って実施するのか、これも熟議が必要です。 
 さまざまに課題を申し上げましたが、改めて伺います。伊丹市のこれからの地域主権、住民自治について、現時点でどんな形態で進めていこうと考えておられるのでしょうか。また、申しました5点の課題、単位、人材、議会、財源、公の責任についてはいかに見解をお持ちでしょうか。これは市長にお答えいただければと存じます。お願いします。 
 次に、共同利用施設等について伺います。市には共同利用施設が70カ所、コミュニティーセンターが3カ所、交流センターが2カ所あり、日々市民の方々に御利用いただいています。共同利用施設等は公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律に基づきまして、昭和40年代から50年代を中心に建設されました。そして現在、老朽化が大きな課題となっているのは御存じのとおりです。多くが築30年から40年以上たっており、水回りや電気設備などにふぐあいが生じている、バリアフリーではない、雨漏りするなどのお声を各所で伺うところです。建設時には国から補助が出たものの、改修や建てかえには補助が出ない中、伊丹市として今後、共同利用施設等をどうするか、そろそろ方向性をはっきりさせていかねばなりません。 
 そこで総合計画です。市民の方からは、「地元施設の改修か建てかえを訴えたところ、総合計画で方向性を決めるので待ってほしいと言われていた、動きがとれず先も見えない」と伺ったこともあります。市民の方は総合計画での方向性の決定を待っておられました。 
 総計案によりますと、基本方針1−3−3−3に、「共同利用施設など、地域の施設について、地域活動や交流の拠点として、より有効な活用が図られるよう地域ごとの合意形成をもとに配置などの見直しを行います。」とありました。しかし、もう少し詳しく、市の現段階での方向性を知りたいところです。方向性として決して容易ではないものの、整理統合ということであれば、例えば総合計画の切りかえ時期である今、もう少し踏み込んだ文言を記載するというのも一つではないかとも考えるところです。 
 そこで伺います。共同利用施設等について、現段階でどのような方向性を持っているのでしょうか。もう少し詳しくお教えください。 
 次に、阪急伊丹駅東地区の再整備について伺います。当該地区の再整備は長い歴史があります。平成3年に再開発準備組合が発足して検討が始まり、震災による一時中断の期間を経て、平成13年に準備組合が再始動し、検討が重ねられてきました。が、平成19年に事業区域なども含めて中長期的なスタンスで再検討することとなりました。平成19年9月議会では、現計画の推進は困難であるとの見解が示されています。また、本年6月議会では、この秋にかかる県の公共事業等審査委員会へは当該事業は休止の扱いということで県に報告の予定ということでした。 
 しかし、今回の総計案では、4−3−1−2にて阪急伊丹駅周辺地区の再整備について、事業に係る区域や手法など、地域の合意形成を基本に中期的な視点で取り組みを目指すとあります。確かに、当該地区はこのままでよいとは言えない状態であり、再整備の検討は必要でありますが、市としての方向性がいま一つ理解しづらいところでもあります。 
 そこで伺います。阪急伊丹駅東地区の再整備について、現段階での伊丹市の見解をいま一度お教えください。 
 次に、本庁舎周辺の施設の再配置についてです。平成19年に公共施設再配置計画案が打ち出されました。本庁舎の耐震工事を初め、図書館の移転、保健センターの拡充など大規模な変更を伴うもので、多額のお金も必要な計画であります。もし実施をするのであれば、総合計画にも記載すべき大変大きな事業でありますが、今回の総計案に記載はございませんでした。これに関しては、本年度、庁舎耐震工法検討等委託料として2000万円が予算計上されています。本庁舎の耐震工事の工法を検討し、工事の有無も含めて再検討する、結果によっては公共施設の再配置も検討し直すかもしれないと認識をしております。本年3月議会では、「新総合計画の事業実施5か年計画の中でやるとすれば位置づけるし、先送りするなら先送りするということを22年度中に決める」とありました。 
 そこで伺います。本庁舎周辺の公共施設の再配置について、次期総合計画には記載しなかったことについて見解をお教えください。また、本庁舎の耐震工法検討の進捗状況はいかがでしょうか。今後のタイムスケジュールはいかがでしょうか。お教えください。 
 では3つ目の質問に参ります。就学前の子供の施設についてです。伊丹市の就学前の子供の施設のあり方については、保育所では待機児童が増加、公立幼稚園では園児数が減少、また在宅の子育ても課題が増大していく中、どのようなあり方が一体いいのかということが大きな、そして喫緊の課題でありました。これまでさまざまな場で協議が重ねられ、私どもも随時声を上げてまいった次第です。 
 そしてこの9月16日、認定こども園等就学前児童施設整備計画案が発表されました。内容はすなわち、「2カ所を認定こども園として整備を進める。1カ所は公立神津幼稚園と公立神津保育所を統合して公立の認定こども園をつくる。1カ所は公立のすずはら幼稚園を民間の認定こども園に。」という計画案でありました。幼稚園と保育所が一体となった施設というのは、これからの就学前の子供の施設の一つの有効な形であると考えています。認定こども園の理念である、「保護者の就労の有無にかかわらず就学前のあらゆるこどもが幼児教育と保育を受けることができ、また地域の子育て支援も行う施設」という理念には深く共感するところであります。 
 ただ、今回の計画案は非常に大きな変更を伴うものであります。今までも市民の方々からさまざまな声が上がっておりますし、これからますますたくさんの声が上がってくることでしょう。中には疑問や不安、不満の声も少なからず出てくると予想されるところです。より一層の、慎重で誠意ある議論を進めていかねばなりません。 
 その観点において、以下5点質問をいたします。まず1つ目です。思いと決意です。今回の計画案は、申しましたとおり非常に大きな方向性を示すものであります。市長の思いと決意のほどをまずお聞かせください。 
 2つ目は審議会の非公開についてです。今回の計画策定に当たって審議会が実施されました。6月24日から9月4日にかけて学校教育審議会が開催、間に2回、福祉対策審議会との合同部会を挟み、この9月14日に答申が提出されたものです。この審議会、非公開でありました。通常、審議会は公開制となっておりまして、だれでも傍聴でき、議事録も随時公開されます。これは伊丹市審議会等の会議の公開に関する指針に基づくものです。 
 しかし今回、完全に非公開の形で実施されました。理由は具体的な園名が出ることも予想され、市民に混乱を招いたり審議に支障を来すおそれがあるとのことです。確かに一定理解できる理由ではあります。しかし市民の方々の中には非公開という形に大変強く不信感を抱いた方も多くいらっしゃいました。「なぜ堂々と公開して審議しないのか」「勝手に決めるつもりでは」などのお声も伺うところです。 
 そこで伺います。審議会をなぜ非公開にしたのでしょうか。審議会で決定された事柄ではありますが、いま一度ここで確認をしておきます。不信感を募らせた方々のためにもきちんと説明をお願いしたいと思います。 
 次に、1小学校区1幼稚園体制の変更について伺います。今回の計画案、特に2つの点をしっかりと整理して協議することがポイントになると考えています。そのポイントの一つが1小学校1幼稚園体制の変更ということについてです。御存じのように、伊丹市は17の公立小学校すべてに公立の幼稚園が設置されています。伊丹の特色ある体制です。今回の計画案はこの体制を変更するものであります。 
 この体制変更について、多くの方々が厳しい御意見を寄せておられます。「17園を維持してほしい」「公立の認定こども園にはできなかったのか」などの声が、実際にすくすくカフェ、これは市民の声を伺うべく市内5カ所で開催された公聴会でありますが、ここで多く出た御意見であり、また個別に訴えも伺うところです。今後ますます出てくる御意見でもありましょう。公立の方がよい、民間の方がよいという話ではございません。どちらもよい特色があります。ただ、大きな変更であることには違いありません。 
 そこで伺います。1小学校に1幼稚園が設置されているこの体制を変更することについて、また公立で認定こども園は検討できなかったのかということについて、いかなる見解をお持ちでしょうか。この計画案が伊丹の子供にとってよりよい方向性だと判断してのことであれば、その思いもお聞かせください。 
 次に、当該地の保護者、地域への影響ということについて伺います。計画案を進めるなら整理と協議が必要であろう2大ポイントの2つ目は、当該地の保護者や地域に対してどうプラスに持っていけるかということではないかと考えています。今回、特に鈴原地域においては地元の公立幼稚園がなくなるというマイナスイメージを持たれる方も少なくないのではないでしょうか。保護者にとっては月額9000円で行ける近くの公立幼稚園がなくなる、鈴原小学校に上がるラインがなくなるなど、また地域では今まで交流を深めていた地元の公立幼稚園がなくなるなどの思いを抱かれるのは当然かと思います。 
 しかし、認定こども園というものは、進め方によっては大変魅力的な施設にすることができる大きな可能性を持ったものでもあると考えています。よって、鈴原地域においては地元の公立幼稚園がなくなるということではなく、認定こども園という大変魅力にあふれた施設ができる、鈴原は子育てに選択肢や可能性が広がり、地元活性化にもつながる、そんな施設を地域一丸となってつくっていきましょうという方向性に持っていけるでしょうし、持っていきたいと考えるところです。鈴原地域にとってプラスの方向で計画を進めていくこと、そしてその認識を理解してもらうことが大きなかぎになるのではないかと考えるところです。 
 そこで伺います。特に今回の鈴原地域において、公立のすずはら幼稚園が認定こども園に変わることは、保護者や地域にどんな影響があるのでしょうか。プラスにできるのでしょうか。しっかりと説明をお願いします。 
 次に、市民、特に当事者や地域への説明ということについて伺います。これからはこの計画案を市民や当事者、地域と協議していく段階に入ります。ここがまた大事なポイントになります。計画案は、申しておりますとおり、非常に大きな変革を伴うものです。市民の方々はさまざまなことを感じられるでしょうし、疑問や不安を抱かれる方もおられましょう。いかに協議を重ねていくかが大事ということは間違いございません。慎重に、誠意を持って、伊丹の子供にとってよりよい方向に進めていきたいという軸をぶれさせることなく協議を進めていかねばなりません。 
 また、認定こども園自体がわかりにくいため、漠然と不安をお持ちの方も多いと聞くところです。認定こども園がどんなものなのか、そしてどんなメリットがあり、デメリットにはどんな対応ができるのか、これもきちんと説明をせねばなりません。 
 そこで伺います。市民に対して、特に当事者や地域に対して、今後どのような形で協議を進めていく予定なのでしょうか。また、それに際してどのような心構えをお持ちなのでしょうか。お教えください。 
 4つ目の質問に参ります。社会教育施設(新図書館)についてです。新図書館については、花摘み園跡地に平成24年オープンを予定として基本設計が本年3月に提示、実施設計が現在策定中のところであります。この状況下、現段階でいまだ不明瞭な部分も存在しますので、それらの点を諸事質問してまいります。 
 1つ目は自動化書庫、ICタグについてです。自動化書庫というのは、利用者から閉架図書の閲覧申し込みがあった際に、機械で自動的に取り出すシステムです。メリットととして短時間で図書が取り出せる、職員の作業が効率化できる、書庫スペースがコンパクト化できるなどです。この自動化書庫について、本年3月の基本設計では明確な形態は記載されておらず、実施設計にて検討との文言もありました。一方、コストについては本年6月の文教福祉常任委員協議会で、工事費に含まれているとの話でした。 
 そこで伺います。自動化書庫はどのような形態で導入するのでしょうか。形態によってはコストアップも予想されますが、予定の工事費内でクリアできるのでしょうか、お教えください。 
 また、ICタグです。これは一冊一冊の図書に張る管理タグでして、現在ついているバーコードとは別物です。BDSと自動貸し出し機に有効です。BDSというのは、手続をせずに図書を持ち出した場合、専用ゲートでチェックがかかるシステムで、図書の盗難や紛失の予防、図書購入費の削減に効果的であります。 
 また、自動貸し出し機は利用者自身で貸し出し手続ができるシステムで、職員作業の負担軽減などに効果がございます。昨今はICタグを導入する図書館がふえております。しかし、問題はコストでありまして、タグ1個におよそ100円かかるそうです。伊丹市で導入した場合、現在の蔵書およそ50万冊にタグをつけるだけでも単純計算でおよそ5000万円が必要です。また、そのほかにもタグを張る人件費ですとか分館のBDS設置などの経費も必要でありましょう。 
 そこで伺います。ICタグは導入するのでしょうか。導入するなら経費はいかほどを算定しておられるのでしょうか。お教えください。 
 次に、交流スペースについて伺います。基本設計によりますと、新図書館のうち図書館部分はおよそ3割、残りおよそ7割は交流部分、ほか共有スペースとなっています。まちづくり交付金が基幹部分と提案部分の割合によって交付率が変わる補助金だったこともあり、交流部分にかなりのスペースが確保されている設計となっています。しかし、肝心のソフト内容は見えてまいりません。一定のスペースがあるゆえ、工夫次第ではかなりの利活用が可能でありますが、逆に言いますと、周辺にいたみホール、アイフォニックホール、産業・情報センターなどが混在する中、独自の工夫を凝らさねばデッドスペースになってしまいます。かといって使用料を安価にするには、周辺他施設とのバランスという問題もございます。 
 そこで伺います。交流スペースについてソフト展開はどのように計画されておられるのでしょうか。周辺他施設とどのように差別化するのでしょうか。また、担当部署はどちらでしょうか。お教えください。 
 次に、蔵書数と面積数です。新図書館を建設する理由の一つが、蔵書数と延べ床面積の充実、拡充ということでありました。すなわち、伊丹市は20万都市にふさわしい基準地に蔵書数も延べ床面積も至っておらず、そのためにも新図書館をということでありました。 
 蔵書数については、現在伊丹市は本館29万3000冊、分館、分室含めておよそ50万冊を所蔵しています。これに対し、文部科学省の基準は61万5000冊、日本図書館協会は74万2000冊であります。また、延べ床面積については、現在、本館は2359平米、分館含め3569平米に対し、文科省基準は6206平米、日本図書館協会基準は7183平米です。つまり、文科省基準で考えると新図書館には4738平米、37万8000冊の蔵書が必要になり、さらに日本図書館協会基準で考えるとさらに必要となります。 
 新図書館でこれらの基準を補完することは可能なのでしょうか。蔵書数や延べ床面積はあくまで基準であり、義務があるわけではありませんが、クリアが難しいとなると蔵書数とスペースをふやすためにも新図書館をという話がよくわからなくなる印象もございます。 
 そこで伺います。新図書館によって目標の蔵書数と面積数は補完できるのでしょうか。お教えください。 
 次にコストです。この厳しい財政状況の中、コストに関しては随時確認をさせていただかねばなりません。まず、イニシャルコスト、すなわち初期投資にかかる経費ですが、総事業費27億4000万円、うち本体工事費23億、関連費4億4000万と聞いています。しかし、実施設計を作成する中でコストアップが生じることもあるのではと懸念しています。 
 そこで伺います。新図書館のイニシャルコストについて、当初の予算から変動はありますでしょうか。あるなら変動の要因とその額をお教えください。 
 また、ランニングコスト、すなわち運営経費については、現在の図書館本館は人件費およそ1億3000万円、物件費9000万円、合わせて2億2000万円かかっております。新図書館は光熱水費、人件費などが増加することにより、基本設計の段階によりますと現在の1.25倍、つまりおよそ5500万円アップすると聞くところです。しかし、ICタグ導入など具体的な内容を検討していく中で、また変動が生じることもあろうかと存じます。 
 そこで伺います。オープン以降のランニングコストについて、現段階でどのように算段しているのでしょうか。基本設計時の1.25倍から変動はあるのでしょうか。お教えください。 
 以上で1回目の質問とさせていただきます。


市長 (答弁)

私からはまず、第5次総合計画に関する御質問のうち住民自治に関するお尋ねにお答え申し上げます。
 1990年代から始まりました地方分権の流れ、これは1995年、平成7年のことになりますけども地方分権推進法が制定され、その流れが確立されたと理解しております。さらに昨年の政権交代以降は地域主権という新たな旗印のもとに、本年6月には地域主権戦略大綱が閣議決定されたところでございます。
 ちなみに、地域主権改革とは何ぞやということで申し上げれば、この大綱におきましては住民に身近な行政は地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにするとともに、地域住民がみずからの判断と責任において地方の諸課題に取り組むことができるようにするための改革と提起されているところでありまして、つまり、これまで地方分権といいますと、国の権限でありますとか財源を地方公共団体に移譲するといったような、いわば団体自治にウエートを置かれたような印象がありましたけれども、この政権におきます地域主権という中には、団体自治とともに住民自治が強調されてるということが言えようかと思います。
 本市におきましてもこういったこれまでの地方分権改革、さらには地域主権改革の流れの中で、これまで以上に住民に最も身近な基礎自治体としまして、みずからの責任と判断におきまして地域の実情、伊丹の事情に合った政策の立案、執行等その結果についての説明責任を果たしていくということ、それとあわせて住民自治の推進ということが求められていると私は認識しておるところでございます。
 そして身近な地域のまちづくりでは、市行政だけが行うのではなくて、市民の皆さんがみずから考え、協働することにより、より潤いのある心の通い合った地域社会ができるものと考えまして、これまでも後期事業実施5か年計画まちづくりプランに基づき、さまざまに取り組んでまいりましたし、伊丹各地域におきまして、市民の皆さん頑張っていただいてるかなというふうに思っております。
 こうしたことを踏まえまして、今回の第5次総合計画基本構想案におきましては、本市の貴重な地域資源とも言えます豊かな市民力、地域力と私申し上げているわけでありますけれども、こうした市民の皆さんの力がさらに発揮できるような仕組みをつくりまして、将来像であります「みんなの夢 まちの魅力ともにつくる 伊丹」、これを市民が主体となったまちづくりの実現により目指そうとしているものでございます。
 そこで、御質問いただきました住民自治の形態についての考え方でありますけれども、具体的な内容につきましてはこれから市民の皆さんや議会の皆さん方と熟議を経ることにより決定していくものであると認識しておりまして、今現在で私は明確にこうすべきだということを申し上げるつもりはございません。
 また、過日、当時の原口総務大臣からは、地方自治のあり方を見直して、国としても地域主権に関する法制度を整備したいといった旨の御発言をいただいて、お伺いしたところでございます。また、原口大臣かわられまして、今回、片山新大臣が誕生されましたけれども、御存じかと思いますけれども、片山新大臣、知事も経験されまして住民自治に特に力を入れておられた方でいらっしゃいまして、今後そうした国の動向にも注目してまいりたいと思っているところでございます。
 第5次総合計画案でうたっております地域組織につきましては、地域のことは地域で決める、地域の課題は地域の協働により解決する、参画と協働のまちづくりを進めるための基盤となる団体でありまして、組織づくりには地域住民の皆さん方の合意が前提になる、これは当然のことかと考えております。
 住民自治のための地域組織についてお尋ねのありました具体的な数点の課題について、現時点での私の考えを述べさせていただきたいと思いますが、まず1点目、住民自治の単位についてでありますが、これにつきましては市民生活に密着し、生活の質の向上につながる地域課題に対応する単位ということになろうかと思いますけれども、住民同士のコミュニケーションが図れる範囲で、ともに考え対応していける、いわば顔が見える生活圏としての範囲が必要であると考えております。
 本市におきましては、これまで17小学校区単位でまちづくり協議会でありますとか地区社会福祉協議会によりまして自治活動が行われてきた歴史的な経緯もございます。また、実際、各地域で特色あるまちづくりの諸活動が行われ、定着しておるところもありますので、私としては現段階では小学校区を単位とすることが適当ではないかというふうに考えておるところでございます。
 続きまして、2点目の住民自治の人材や担い手についてでありますけれども、現在、自治会を代表といたします地域活動を支えておられる方々には、多岐にわたる地域活動を献身的に担っていただいてるなというふうに認識しておりまして、私は心から感謝申し上げ、敬意を表するところでございます。議員御指摘のとおり、こうした地域活動を担う方々におきましては、高齢化と後継者不足の問題があるということ、私も直接地域に伺うたびにと申し上げると言い過ぎかもしれませんが、たびたびお伺いしているところでございます。
 この問題は、本市だけのものではございませんで、全国で抱えてる問題でもあろうかと思いますけれども、大きな問題であるというのは御指摘のとおりかと認識しております。なお、地域活動の担い手といたしましては、自治会が最も基本的な構成要素であろうかと思いますが、そのほかにもPTAでありますとか各種団体、最近ではNPO、さらに事業者の方々など多様な市民の参加を想定しておりまして、それぞれが担える可能な範囲で協働して分担していただくことによりまして、地域の事情に即した住民自治が活性化するものと考えております。総合計画審議会におきましてもそのような真の協働社会の仕組みづくりを答申いただいたものでございます。
 次に、3点目の住民自治と議会との関係についての考え方でございますけれども、現行の地方自治制度は基本的に法律に基づきまして、公選により選ばれました市長と議員を住民の代表とするいわゆる間接民主主義が原則となっておるのは御承知のとおりでございます。したがいまして、市民の参画によって行政の責任を軽減しようというものではありませんし、市民を代表いただきます議会活動が地方自治の大きな柱であることは改めて申し上げるまでもないかと思います。
 なお、自治組織の役員の選出方法につきましては、今後、先進事例を参考にしながら、市民の皆さん、議会の皆さんとまさに熟議を尽くしてまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、4点目の住民自治の財源についてでありますけれども、地域組織がその地域の実情に応じてまちづくりを進めていくためには、活動のための財源が必要なことは言うまでもございません。地域組織の自立的な活動を支援する財源のあり方につきましても、全国的にいろんな試みがされつつあるところではありますけれども、本市におきましては今後、市民の皆さん、議員の皆さんと議論を交わしてまいりたいと考えております。
 最後に、5点目の公の責任についてでありますが、先ほど申し上げましたとおり、地域の住民自治が進んだとしましても、行政の最終責任が軽減するといった性格のものではないと認識しております。法令により行政がすべきこと、あるいは市民の皆さんのセーフティーネットに関すること、あるいはハード整備を含む環境づくりなどは、基本的に行政の責任において行い、それ以外のものについては地域の皆様と熟議を重ね、行政がすべきことと市民、事業者等の皆さんがすべきことを適切に役割分担していくことが必要かなと思っております。基本構想案の冒頭に位置づけておりますように、それぞれが行動し、できることを担い合う真の協働の住民自治を実現してまいりたいと考えております。
 次に、認定こども園等就学前児童施設整備計画案に関する御質問と申しますか、私の覚悟のほど、思いのほど申し上げたいと思います。
 私は市長就任以来、「伊丹の未来を託す人づくり」の実現、これを市政の最重要課題の一つに掲げました。そしてこれまでに市長就任以来、学校教育の充実等に加えまして、幼稚園、保育所と小学校の連携の強化でありますとか、幼稚園内にむっくむっくルームを開設することなど、子供たちの成長を支える環境づくりに特に力を入れてきたつもりでございます。
 今後の就学前児童の教育につきましては、保護者が働いてるかいないかにかかわらず、すべての子供たちに対して質の高い幼児教育、保育を保障する環境を整えることが急務であると私は強く認識しておりますし、かねてよりの持論でもございます。特に、今年度からは「子ども・家庭・地域 共に育ち合う 伊丹」の基本理念のもとに、伊丹市次世代育成支援行動計画「愛あいプラン」の後期計画をスタートさせまして、保育所待機児童の早期解消を喫緊の課題と位置づけまして、本議会において御提案をさせていただいておりますように、阪急伊丹駅前の伊丹ショッピングデパートに阪神間で初めて、民間会社の運営によります認可保育所を開設する、これによりましては、ビルの所有者の方々の全面的な御支援もいただいたということもありまして、こうしたさまざまな方々の御尽力もいただきながら、民間の認可保育所の誘致などを行ってまいったところでございます。
 今回、策定いたしました認定こども園等就学前児童施設整備計画案につきましては、私が市長選挙の際にマニフェストの中に掲げさせていただきました「民間活力を活用して認定こども園等を整備し、保育サービス、幼児教育を充実させるということ」を具現化するものでございまして、認定こども園制度を活用することによりまして幼児教育の向上とあわせて保育所待機児童の解消、さらには子育て支援機能の充実、これらを図ろうとするものでございます。
 今後、国におきましても、平成25年度に幼稚園、保育所の垣根を取り払いました仮称とのことでありますが、「こども園」、「認定こども園」でなく「こども園」として一本化しようということが検討されておりますけれども、そのような国の制度を見定めつつ幼保一元化の構築に向けまして、当面、認定こども園制度に基づく施設整備を行うことを前提として、全国に誇れる幼児教育、保育を実践し、未来を担う子供たちが健やかに育つことができるよう、よりよい環境づくりを進めたい、「子育て支援のまち伊丹、子育てをしやすいまち伊丹」と言っていただけるように頑張っていきたいというのが私の切なる思いでございますので、議員各位におかれましても御理解、御支援賜りたいと思います。
 その他の御質問につきましては、担当部長等から御答弁申し上げます。


財政担当市長付参事(答弁)

私から財政に関します数点の御質問に順次お答えを申し上げます。 
 まず、今後の行財政運営に対する見解についてお答えを申し上げます。去る6月22日に地域主権大綱が閣議決定され、その中で国と地方は対等の立場で対話できるパートナーシップの関係へと根本的に転換すること、地域の住民がみずから暮らす地域のあり方についてみずから考え、主体的に行動し、その行動と選択に責任を負うという住民主体の考え方が示され、条例制定権の拡大、基礎自治体への権限委譲、ひもつき補助金の一括交付金化、地方税財源の充実確保などといった方針が提示されたところでございます。 
 このような地方の財源確保に向けた考え方は大いに歓迎すべきものではございますが、財政といたしましてはこれまでも申し上げておりますとおり、予見性を高め、中期的な収支見通しに立脚した安定的な財政運営を行っていくためにも、地方財政計画の策定を通じて、地方公共団体の現下のあるべき標準的な行政水準を確保できるよう地方交付税の総額を確保するとともに、地方財政計画の策定に当たりましては、本市を初めとした市町村の行政サービスが投資的経費から経常的経費へ移行している実態を踏まえ、特に国庫補助負担金を伴わない、一般行政経費に対する地方歳出の的確な補足を行っていただくことがきわめて重要であると考えているところでございます。 
 次に、歳入及び歳出に対する方向性のお尋ねについてお答えを申し上げます。歳入の増加策につきましては公平性の確保の観点から、収納率の向上と未収金強化対策、受益と負担の適正化の観点から使用料、手数料の適正化、本市の持つ資源の有効活用の観点から新たな財源確保等について積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 
 また、歳出の見直しにつきましては、各種の単独事業について、国庫補助事業と異なり地方財政計画に反映がなされず、国においての財源措置が基本的にないことから本市財政への負担も大きく、見直しを検討していく必要があるものと考えております。平成23年度から実施する行財政プランにおきましては、地域主権大綱において示されたとおり、市民一人一人が本市の財政をみずからの問題として考えていただき、住民自治のあり方につきましても市民サービスに対する受益と負担を考える中で、議会での御審議や行財政改革推進懇話会、パブリックコメントなどを通じて御意見を賜ってまいりたいと考えておりますので、御理解、御協力賜りますようよろしくお願い申し上げます。


総合政策部長(答弁)

第5次総合計画に関する御質問のうち、表記方法について及び公共施設の再配置についての御質問にお答え申し上げます。
 まず、表記方法についてでございます。総合計画とは長期的な市政の方向性を総合的に定めるものであり、今回の計画案では3層構成とし、最上位に今回議案として御審議いただいております基本構想案、そしてその下の基本計画案、それぞれ計画期間を10年としております。3層目の実施計画につきましては5年ごとに前期、後期と分けて策定する予定でございまして、現在、策定作業中でございます。
 数値目標の設定につきましては、重要な課題であると考え、前もって学識経験者等のアドバイスも受けながら検討してまいりました。変化が激しく、またそのスピードも速い、昨今の社会経済情勢にかんがみますと、基本構想や基本計画の中に10年後の数値目標を設定するよりも、実施計画において具体的な事業とともに、年次ごとの数値目標を設定して市民へお示しし、行政評価においてその進捗管理をしていくことの方が現実的で、かつわかりやすく市民への説明責任を果たすことができると判断したところでございます。
 また、社会経済情勢の変化に合わせた対応として、5年後には後期5か年実施計画を策定する中で、後期の数値目標を改めて設定できるという利点があると考えております。
 その具体的な表記方法ですが、現在の行政評価の施策評価と同様に、施策単位に3つ以内の成果指標を各年度ごとに5カ年に分け、具体的数値で市民の皆様にもわかりやすくお示しすることを考えております。
 2点目の御質問の本庁舎の耐震工法の検討及び本庁舎周辺の公共施設の再配置計画に係る御質問についてお答え申し上げます。
 御質問いただきましたとおり、今年度予算におきまして、庁舎耐震化工法等検討委託料として2000万円の予算を御承認いただき、計上いたしております。この委託業務の内容は、平成19年2月の総務政策常任委員協議会におきましてお示しいたしました、本庁舎耐震補強工事を初めとした公共施設再配置計画案につきまして、再検討を行うものでございます。
 御質問の本庁舎周辺の公共施設の再配置について、次期総合計画に記載をしなかったことについての見解についてでございますが、第5次総合計画の基本計画(案)の基本方針3、「自立的な行財政運営」の基本施策1)、「分権に対応できる政策形成の基盤づくり」の中におきまして、「用地や施設など市有財産の効率的な有効活用を図るため、それらの評価をもとに、用途の見直し、再配備を行うなど適正な管理に努めます。」と表現しております部分に包括されておりますので、御理解いただきますようお願い申し上げます。
 また、委託料につきましては、入札の結果、税込みで1329万3000円で契約をいたしております。その進捗状況ですが、現在のところ、これまでの公共施設再配置計画案を基本として本庁舎の対地震化対策について、耐震、制震、免震等の各工法についてそれぞれのバリエーションも含め、工事費用だけでなく仮庁舎や引っ越し経費などの間接的な経費や、また工事中及び竣工後における執務の状況及び市民への影響等々、さまざまな観点から検討をしているところでございます。
 スケジュールにつきましては、この委託の結果に基づき、財政計画も含めた総合的な判断を行い、その結果を第5次総合計画の事業実施計画の中に反映させてまいります。もちろん、議会の皆様方には前もってできるだけ早く御報告したいと考えておりますので、御理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。以上でございます。


市民部長(答弁)

私からは、「共同利用施設等の老朽化が進む中、今後の方向性は」についてお答えいたします。 
 共同利用施設やコミュニティセンター、交流センターは、議員御案内のとおり、航空機騒音による障害の緩和及び地域住民のコミュニティー活動の推進に資する施設として国等の補助を受け設置したものでございまして、昭和42年度に建設した神津センターが一番古く、平成18年度に建てかえをした春日丘センターが一番新しいものでございます。これらの施設は主に地域住民のコミュニティー活動の推進に資する施設として、集会や休養、学習、交流等に利用されており、施設管理を神津センター、南センター、西センター、堀池センター、昆陽池センターを除いて地元自治会を中心に組織された管理運営委員会に指定管理をお願いしており、地域活動の拠点施設として御利用いただいております。 
 また、共同利用施設等は築30年以上のものが44カ所ございますが、鉄筋コンクリートの建物の耐用年数は建築基準法上では60年とされており、これまで施設の保全を図るために屋上防水や外壁の塗装、空調設備の更新、給排水管の取りかえなどの大規模修繕は、劣化やふぐあいの状況を確認しながら年次計画を立てて、緊急性の高いものから順次行ってまいりました。バリアフリー化につきましても既に64施設で完了している状況でございまして、特に昨年度は財団法人空港環境整備協会の補助に加えまして、経済対策臨時交付金等を活用いたしまして、屋上防水工事を6施設、外壁塗装工事を1施設、空調機器の更新を1施設、バリアフリー化工事を4施設で実施いたしております。今年度につきましても引き続き、財団法人空港環境整備協会の補助と臨時交付金を活用して、屋上防水などの工事を順次8施設で実施してまいりますので、施設保全計画の前倒しが図られている状況でございます。しかしながら、いずれは大規模修繕の必要性や建てかえ等の問題が出てまいりますので、今後の財政的な負担が大きな課題であります。 
 そこで議員御質問の共同利用施設等の今後の方向性についてでありますけども、こうした財政上の負担に加え、本市のような狭い市域の中で地域の活動拠点として活用されている施設が共同利用施設等75カ所を初め自治会等所有の自治会館が30カ所以上点在しており、さらに小学校区ごとに県民交流広場事業も行われておりますことから、地域活動のあり方とか効率性等の観点から、一定の整理も必要でありまして、これら施設の利用状況等踏まえ、地域にとって本当に必要とする活動施設のあり方について市民と行政が一体となった熟議に基づき、基本的な方針、方向性を決めた上で地域ごとに策定する地域ビジョンの中で具体的な施設の再配置を検討し、地域の合意形成を得て施設の再編整備も図ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。


都市創造部長(答弁)

私から伊丹市第5次総合計画案に係る御質問のうち、第4点目の「阪急伊丹駅東地区の再整備に関し現段階での伊丹市の見解を」についてと、社会教育施設新図書館に係る御質問のうち第2点目の「交流スペースの事業展開について」お答えいたします。
 まず、「阪急伊丹駅東地区の再整備に関し現段階での伊丹市の見解を」についてでございますが、策定中の伊丹市第5次総合計画案では、主要施策の計画的なまちづくりの推進の中で中心核のまちづくりとして、伊丹駅東地区を含む阪急伊丹駅周辺地区全体の再整備につきまして、その基本的な取り組みの方向性を示させていただいております。御承知のように、再開発事業につきましては、国、県から事業補助を得るための事前手続といたしまして、兵庫県では投資事業評価システムの構築がなされており、県知事の附属機関として公共事業等審査会が設置され、その中で事業化についての評価をする仕組みがとられております。
 御質問の阪急伊丹駅東地区再開発事業の事業化につきましても、前回までの議会でも御答弁させていただいておりますように、平成16年7月に兵庫県の公共事業等審査会におきまして、再開発事業として新規着手妥当との評価を得、後年度以降事業化に向け地元準備組合の方々と精力的に取り組んだところでございますが、計画しておりました事業の採算性や権利者の合意形成が困難となる事象の発生や、社会経済情勢の悪化に伴います公益業務施設の誘致が困難な状況となったことなどが要因いたしまして、準備組合の皆様方の御理解のもと当該事業に係る本市の総合的な判断といたしまして、現計画の事業推進は極めて困難であり、事業区域等も含め、中長期的なスタンスで改めて検討するとして、事業の休止を表明したところでございます。
 この休止としましたことにつきましては、地元権利者の方々には今後、事業化に期待しておられる方々も多く、また本市におきましても駅前商業空間の再整備は重要な課題と認識いたしておりますことから、当面お時間をいただきながら、阪急伊丹駅を中心とする周辺地域の整備のあり方につきましてよりよい手法を模索することとした次第でございます。改めて事業化が可能となった場合の措置ということも講じたものでございます。
 また、現在、県の公共事業等審査会により新規事業評価をいただいた経緯もありますし、さらに同審査会採択後5年を経過します平成22年までに事業化に向けた手続まで至らなかった状況となりましたことから、県の投資事業評価システムの運用規程に基づきまして、本年秋に開催されます公共事業等審査会において、現状の事実関係について御報告を行うよう手続を進めている状況でございます。この報告の中で当該事業に係ります今後の方向性を明確にする必要が大変重要となりますことから、さきに申し述べました内容で新総合計画案の位置づけとしたところでございます。
 いずれにいたしましても、阪急伊丹駅東地区開発事業につきましては事業の休止となりましたが、依然として駅前周辺に防災面や景観面といった問題点が見受けられますことから、阪急伊丹駅周辺地区の事業区域等も含め、駅前商業空間としてふさわしいまちづくりに今後も取り組んでいこうとするものでございます。
 次に、社会教育施設、新図書館の交流スペースの事業展開についてでございますが、現在の図書館本館は年間約40万人の来場者がございますが、この新図書館等社会教育施設につきましては、図書館本館機能部分に加えまして、時代のニーズに即した交流や歴史、文化の情報発信機能を付加することとしておりまして、より多くの皆さんに愛され、御利用していただける計画といたしております。
 御質問の、まず交流スペースについてでございますが、子供から高齢者まであらゆる世代が談話や各種講座、教室などを通じまして世代間の交流が図れるまちなか交流、多様なイベントが実施できるスペースで、さまざまな市民グループや地域の交流が図れるまちなかイベント交流、読み聞かせコーナーなど子供の読書を通じた交流が図れる言葉学習交流、パネルや模型などの展示や資料により、有岡城から伊丹郷町、現在に至るまでの地域の歴史などがわかる郷土歴史・文化情報発信など機能を設けることといたしておりまして、多くの方に御利用いただけるのではないかと思っております。
 なお、このスペースにつきましては、今後さらなる活用や集客が図れる新たな活用方策も検討してまいりたいと考えております。
 次に、周辺施設との具体的な連携についてでございますが、例えば、みやのまえ文化の郷にあります旧岡田家酒蔵に来られた方に対しましては、酒蔵やお酒などの詳しい書籍、有岡城跡へ来られた方に対しましては郷町を初めとする伊丹の歴史の書籍が新図書館へ行けば閲覧、貸し出しできる御案内など、周辺施設の展示の第2会場として活用するなど、滞留時間が長く、回遊していただけるような取り組みが必要だと考えているところでございます。
 このような各種機能や情報発信の充実に加え、周辺にあります特色のある歴史・文化施設等との連携や活用、中心市街地全体の文化性と魅力の向上、ひいては地域全体の質の向上を一層図ることにより、まちの集客性、回遊性、にぎわいづくりにつなげてまいりたいと考えております。
 また、こうした取り組みに対する担当部署のお尋ねでございますが、基本的には教育委員会の生涯学習部が主体となりますが、他の所属とも協力を得ながら都市創造部といたしましても積極的にかかわり、連携を密にしてまいりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。以上でございます。


教育委員会事務局学校教育部長(答弁)

私からは就学前の子供の施設についての御質問のうち2点の御質問についてお答えいたします。 
 まず、学校教育審議会を非公開にした理由についての御質問でございますが、伊丹市教育委員会は今回の学校教育審議会の設置に当たり、広報伊丹6月15日号と伊丹市ホームページにおきまして第1回審議会を6月24日午後6時から、総合教育センター2階研修室で開催し、傍聴できる旨の案内記事を掲載し、当日は9人の傍聴を許可し、公開で開催いたしました。しかし、第1回審議会において、会長から第2回以降の審議では伊丹市情報公開条例の第7条第5項に規定されています事項を理由として、具体的に申し上げますと、具体的な園名を上げての議論が予想され、審議途中の情報が推測やうわさの形で広がることにより、同審議会において率直な意見交換がしにくくなるおそれがあること、また、市民に不安や混乱を招くおそれがあることを理由として、伊丹市審議会等の会議の公開に関する指針に基づき、第2回以降の会議の非公開が提案されました。この提案に対して委員から賛意が表明され、反対意見はなく、審議会として第2回以降の会議を非公開とし、議事録も答申までは非公開とすることが決定されました。 
 なお、伊丹市審議会等の会議の公開に関する指針の第3条は、会議の内容に伊丹市情報公開条例第7号各号に上げる情報が含まれる場合は非公開にすることができ、それを決めるのは審議会である旨規定しており、このことに基づき審議会で決定いたしました。事務局といたしましては公開で行われました第1回審議会の議事録を伊丹市ホームページに掲載する際、審議会で第2回以降の会議の非公開を決めたこと、そして非公開の理由は第1回審議会議事録の最後の部分を参照いただきたい旨の説明をつけ、市民の皆様にお知らせいたしました。 
 また、答申日の翌日である9月15日の朝には、答申書本編と概要版、第2回、第3回審議会の議事録を掲載いたしました。残る第4回審議会議事録につきましては、署名委員の署名がなされ次第、ホームページに掲載することとしております。 
 また、福祉対策審議会との合同部会につきましては、5月25日の福祉対策審議会及び6月24日の第1回学校教育審議会でその設置が決まりましたが、第1回合同部会が6月30日に開催されることとなったため、第1回の会議において学校教育審議会と同様の理由で会議の非公開を決定し、第1回及び7月28日の第2回のいずれも非公開で開催されております。 
 次に、1小学校区1幼稚園制を変更することについての御質問でございますが、御指摘のとおり、1小学校区に一つの幼稚園が設置されていることは、親子が原則的に歩いて通えることや幼小連携に有利であることなど多くの点でメリットがあることから、教育委員会は長年この設置形態のもとで幼児教育に取り組んでまいりました。 
 しかし、急激な少子化と保育所への入所希望者の増加などを背景に、公立幼稚園就園者が減少し、現在、4歳児、5歳児とも一クラスしかない園が約半数を占める上、一部の園におきましては4歳児の入園者が定員の30人を大きく下回り、集団による教育の効果が発揮しにくい状況となっております。このような状況を改善するため、前回の学校教育審議会では、園施設の利活用策を同時に示すことを条件に17ある公立幼稚園を14園程度に統合し、適正規模に整備することが望ましいとの方向性が示されました。そして、前回の課題を踏まえて、このたびの審議会では福祉対策審議会との合同部会を経て2つの公立幼稚園について認定こども園制度を活用する方向性が示されました。 
 この答申を踏まえて、整備計画案では、すずはら幼稚園の施設を利活用し、民間による認定こども園、また神津幼稚園と神津保育所と統合の上、神津小学校近隣地に新しく移転、新設し、公立の認定こども園にそれぞれ整備する旨発表いたしました。公立幼稚園につきましては、就園者数の推移、保育ニーズの高まりなどを考えますと、公立幼稚園の施設の利活用により、より多くの市民ニーズに対応していかなければならない状況があります。1小学校区1幼稚園制につきましては変更してまいりますが、時代に合った新しい教育、保育の形を追求しながら、今後、伊丹市の幼児教育を一層充実してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。


こども部長(答弁)

私からは、御質問の就学前の子供の施設のうち、認定こども園等就学前児童施設整備計画案に関する数点の御質問にお答えいたします。
 認定こども園制度を活用した施設の整備につきましては、学校教育審議会等において公立幼稚園の適正規模、適正配置の審議を経て、認定こども園等就学前児童施設検討プロジェクトチームでの検討結果をもとに、公立幼稚園だけでなく、土地開発公社が有する土地の利用も含めた、既存施設等の利活用策を定めて、整備計画案をこのたび策定いたしたところでございます。
 また、策定経過におきましては、次世代育成支援行動計画「愛あいプラン」後期計画の重点課題の一つである保育所待機児童の解消のために、幼稚園等の既存施設の活用や幼保の連携を図りながら保育サービスの拡充を計画的に進めることとし、待機児童の解消策である認定こども園制度を活用した施設の整備につきましても、市民の皆様が自由濶達に御意見を述べていただける場として、市内5カ所で「いたみすくすくカフェ」を実施したところでもございます。そこで聴取いたしました御意見につきましては、適宜、学校教育審議会や学校教育審議会と福祉対策審議会の合同部会でも御報告をした上で、その御意見も踏まえた議論を行っていただいたところでございます。
 今回、整備計画案に位置づけました、すずはら幼稚園の施設につきましては、当該施設を利活用し、民間による認定こども園制度を活用した施設に整備することといたしておりますが、公立による認定こども園が検討できなかったのかという点につきましては、先ほども学校教育部長から御答弁がありましたが、平成20年に学校教育審議会において適正規模、適正配置についていただきました答申の中で、公立幼稚園17園を10園程度に統合することが望ましいと、全市域を対象にして検討されたことなど、その趣旨を踏まえ、今日的な視点から今回審議された結果、公立幼稚園を統合し、統合後の施設を利活用すること、及びこの地域には私立幼稚園も存在し十分に公私が切磋琢磨できる環境にあることから、整備計画案にもございますように、公立による運営を行うのではなく、これまで行ってきた民間による認可保育所の誘致と同様、民間事業者とすることといたしたところでございます。
 次に、認定こども園制度を活用した施設に整備することにより、保護者や地域にはどのようなプラスになるのかという御質問でございますが、大きく3点ございます。
 まず1点目は幼児教育の充実が図られるという点でございます。少子化が進む中、特に幼稚園におきましては子供の育ちにとって大切な子供の集団の小規模化が深刻な問題となっております。認定こども園制度では、幼稚園と保育所とが連携して一体的な運営を行うことにより、親の就労の有無にかかわらず施設の利用が可能となるとともに、適切な規模の子供の集団を保ち、子供の育ちの場を確保することができるといったメリットがございます。
 また、認定こども園で実施する保育内容については法律で決まっているというものではなく、幼稚園機能、保育機能と、そして子育て支援機能を一体的に運営することによって認定こども園としての機能を果たすという制度でございますので、これから市の実情、あるいは地域の特性に応じた保育内容を幼稚園、保育所が中心となり、地域の皆さんとも一緒に考えていけるということもメリットではないかと考えておりまして、今後、よりよい保育内容について提供できるものにしていきたいと考えております。
 2つ目は保育所待機児童の解消が図られるという点でございます。認定こども園制度を推進することによって、保育所機能を有するということは、地域で入所することのできない保育所待機児童の受け入れが既存の幼稚園施設を活用して確保することが可能になるということで、これは大きなメリットであると考えております。
 最後に3つ目でございますが、子育て支援機能の充実が図られるという点でございます。認定こども園は教育及び保育に関する専門性を十分に活用し、保護者の子育て力の向上を積極的に支援するなど、地域の需要にこたえ、子育て支援事業を行うことが法律で義務づけされており、先ほど申し上げましたように地域の実情に応じた子育て支援を行うことができるということがメリットとなっております。
 また、これらのメリット以外におきましても、この地域におきましては公立、私立の各幼稚園がございますので、今後それらに加え、認定こども園制度を推進することによりましてさらに利用者の選択肢がふえるということにつきましても、大きなプラスになるのではないかと考えております。
 次に、市民、保護者、地域への説明ということについての御質問でございますが、特に鈴原地域につきましては今月中に整備計画案に係る説明会を実施し、整備計画案の策定経緯や新設する認定こども園の整備方針などについて御説明し、認定こども園制度につきましても具体的な事例をお示ししながら御説明するとともに、特に子育て支援機能につきましては、地元地域の皆様の意見も踏まえ、実情に適した子育て支援を行うことができるように進めていきたい旨をお伝えしたいと思っております。また、10月1日から11月1日までパブリックコメントを実施し、広く市民の皆様の意見を聴取してまいりたいと思っております。
 私たちは常にいろんな家庭事情の中で暮らす、すべての子供たちにとって最適な育成環境を整えるということを基本とし、いろんな子供施策に取り組んでおります。議員も御承知のように、毎日、保育課には保育所の入所を申し込みに来られる方、あるいはいつになれば入所できるのかということでお問い合わせに来られる方が絶えない状況も一方でございます。すべての方が満足のいくことはできないにしても、よりよい育成環境をつくりたいというのが我々の思いであります。そのためには、保護者を初め市民の皆様にも少しずつ御協力をいただきたいと思っています。今後とも地域の皆様の協力をいただきながら、ともに就学前児童の教育の向上を目指して、認定こども園制度を活用した魅力ある施設に整備していく所存でございます。御理解いただきたいと思います。


教育委員会事務局生涯学習部長(答弁)

私からは社会教育施設(新図書館)に関する数点の御質問についてお答えいたします。 
 まず、中央図書館としての本館では、何十万冊もの膨大な図書資料をすべてのジャンルに振り分けながら、利用者にとって探しやすく使いやすいよう機能的に提供するためには、分野ごとの定められたスペースにいろいろな見せ方がございますが、基本的にはその利用頻度等に応じて判断し、ふだんよく使うものは一般利用の閲覧室の書棚に見やすく並べて配置し、一方で専門書など通常は余り利用されないものは書庫に集約的に収納しておくことが極めて重要となってまいります。司書の専門性、力量の発揮どころとなってるところでもございます。 
 自動化書庫は従来型の据え置き書架、集密書架混合の書庫と比べますと収容密度が非常に高く、同じ床面積であっても約2.5倍の収容能力があることから、少ないスペースでのより効率的な収容が可能となるものでございます。今回、新図書館に導入を予定いたしております自動化書庫には、蔵書予定数約40万冊の6割強に当たります約25万冊の収納を予定しておりますが、返送される図書はその形状に応じた適切なサイズのコンテナに納めた後、出し入れを自動的に行うロボットクレーンにより書庫内の各スペースに迅速かつ整然と収納がなされます。そして書庫から各フロアへの図書搬送につきましては、同じくロボットクレーンが指定された図書の入ったコンテナを抽出し、コンテナごと指定されたカウンターに搬送を行うというシステムを予定しております。 
 書庫内の図書の閲覧請求があった場合、これまでは職員が書架から目的の図書を探し出して、利用者に提供するまでに約5分ないし10分程度の時間を要していましたが、自動化書庫ではそれが約2分半程度で提供することが可能となり、大幅な利用サービスの向上が見込まれるところでございます。 
 また、今回の設計上、書庫は地下に設置することとなりますが、自動化書庫にはリフト機能が備えられ、職員が図書を持ってカウンター階と地下とを往復する非効率が避けられるものでございます。さらに図書の返納にはサイズ別のどのコンテナにも返納してもよいため、指定されたい位置への返納が義務づけられていたこれまでの方式に比べて、職員の作業効率の大幅な向上につながるものでございます。そして書庫内での人的作業が行われないことから、照明費、空調費の節減も可能となり、また作業安全の確保にも資するものとの認識に基づき導入を予定しているものでありますので、御理解いただきますようよろしくお願いいたします。 
 次に、ICタグシステムの導入につきましてお答えいたします。ICタグは非接触型のデータ認識システム、つまり読み取り機の上に置くだけでデータの内容を読み取ることができるという方式で、1冊ずつにセンサーを当ててバーコードを読み込んでいる現在の方法に対し、数冊のデータを一度に読み込むことができるようになるため、貸し出し返却業務の迅速化や蔵書点検の作業負担の軽減等を図ることができます。また、貸し出し手続を行っていない図書の持ち出しをゲートでチェックする「BDSシステム」と併用して用いますと、ゲート通過時に持ち出し図書の書籍番号を表示することが可能となり、従来の磁気テープを用いた方式より盗難防止に効果的であるという利点があることも認識しております。さらに自動化書庫と連携させますと、書庫からの取り出し、返納チェックが非接触式で可能となることから、特に自動化書庫の運用時に危惧されます返納時の読み取りミスによる図書の行方不明が大幅に軽減され、これはICタグシステムの持つ大きなメリットであると考えております。 
 しかしながら、御指摘にもありましたとおり、ICタグの導入には1件当たり100円余り、約50万冊の既存図書へのタグ張りつけには5000万ないし6000万円の初期投資が必要になるほか、図書館コンピューターシステムや自動化書庫とのシステム連携が必須であること、また導入効果を最大限に追求するためには、さきに述べましたBDSや利用者本人が貸し出し処理を行う自動貸し出しシステムの導入、そしてまた、分館の施設整備も考慮する必要がございます。さらには毎年新たに購入する図書にもタグを張りつけしていく必要があるなど、今後、システムを運用していくための新たな経費も発生してまいります。 
 そのため、こうした導入、運用にかかる経費に対して事務の効率化や利用者サービスの向上でどれだけの効果が得られるかについて、現在検証しているところでございまして、費用対効果について十分なメリットが見込めると判断した場合に導入を考えてまいりたいと存じますので、御理解いただきますようよろしくお願いいたします。 
 次に、新図書館の目標とする蔵書数と面積に関する御質問についてお答えいたします。 
 まず、蔵書の収容能力につきまして、先ほど御案内のように新図書館において40万冊以上の収容能力があり、南北分館のそれぞれに10万冊ずつと神津分室などその他の分を加えますと、一応の目標冊数に達するものとしておりました。その上、来春オープンということでございますが、予定しております仮称西分室分を合わせますと、これで63万冊以上ともなり、市内全体で文科省基準冊数の61万5000冊を上回る収容能力を有することになるものでございます。 
 次に、床面積についてでございますが、現図書館本館では、1階の一部には行政資料コーナーを、さらに3階には学習室と集会室を配置しておりまして、これらのスペースを書架閲覧スペースとすることが利用上難しいこともあって、蔵書の収容能力が大きく損なわれることとなっております。 
 一方、新図書館では交付金の性格上、床の利用方法には一定の制限があり、ホールや会議室、学習室、通路部分等はこれが「交流スペースや共通スペース」部分として配置され、残る「図書館スペース」部分に据え置き書架や閲覧スペースを集中的、効率的に配置することとするため、必要となる機能がこれで十分に確保できるものと考えております。また、さきに述べましたとおり、自動化書庫は従来の書庫と比較すれば実質的に約2.5倍の床面積に相当する収容能力がございまして、そのことからすれば、ざっと600平米分が縮減できているものとも考えられるものでございます。これらを勘案し、望ましい基準に見合う床面積を有していると判断しておりますので、御理解いただきますようお願い申し上げます。 
 次に、図書館のイニシャルコストについて、初期の額から変動があるのかとの御質問でございますが、現在、イニシャルコストの大部分を占めます建築工事費用について、そのもととなります積算等の詳細作業を行っておりますが、当初の予算額からの変更といったことは想定しておりません。御懸念いただいております自動化書庫の導入経費につきましても、先ほどのとおり既に基本設計の段階で織り込み済みの装備であり、特段コスト増の要因とは考えておりません。 
 なお、今年度に入り、実施設計、本発掘調査の委託について契約し、現在、作業を進めておりますが、いずれも大きく予算を下回る額での契約となっており、これらは現在のところ、約5000万余りが余裕財源となっている状況でございます。 
 また、オープン以降の運営経費を現段階でどのように算段しているかについてでございますが、施設規模が現本館の約2.5倍強になること、年間開館時間数の拡大、さらには新たな交流スペースを生かした事業展開を図ることなどから、一定の職員配置に加え、光熱水費を初めとする施設の保守管理経費などがふえることが想定されますものの、以前より申し上げておりますとおり、現経費の1.25倍を上限値としてそれまでにおさめるべく実施設計等の中で管理経費の削減に向けた検討を進めておりまして、こちらもその方針に変更はございません。 
 日々の業務を行います貸し出し返却カウンターやバックヤードスペースなどについて、作業効率の向上が図られるよう設計に盛り込むほか、自動化書庫の導入により閉架書庫にかかる空調費、照明費、出納作業にかかる人件費などが軽減されるものと考えております。光熱水費に関しましては、省電力、長寿命のLED照明器具の採用、空調ゾーンの細分化、外気冷房、節水型衛生器具などを取り入れるとともに、清掃、衛生管理などの日常業務につきましても仕様書作成の折に十分内容を精査し、経費の圧縮に取り組んでまいります。 
 いずれにいたしましても合理的、効率的な施設運営を目指してまいりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。以上でございます。


相崎佐和子(2回目の発言)

それぞれに御答弁をいただきました。 
 まず、第5次総合計画についてです。具体的な数値を記載しないのかということにつきましては、確かに総合計画というのはビジョン、方向性というものであって、具体的な数値を盛り込むたぐいのものではないという考え方があること、また10年という長期スパンの計画であること、事業によっては指標が数値化しにくいものであることなどからも基本目標、基本計画の段階で数値を記載しなかったということは一定理解いたします。ただ、わかりにくい表記にとどまっていること、ほかの自治体では記載している例もあることなどから、これから策定する実施計画におきましては、御答弁いただきましたがしっかりと数値を盛り込み、明確で検証しやすい計画にしてくださいますように要望を申し上げます。 
 そして、総合計画の住民自治についてであります。地域主権、住民自治がこれからの時代ますます重要になってくるということはそのとおりだと思います。おっしゃられましたように、国でも原口大臣にかわりまして革新派の知事として有名であられた片山さんが総務大臣になられたということで、ますます地域主権、住民自治の方向性というのは強まってくるものではないかと思います。伊丹市の今回の総合計画に記されている地域主権、住民自治の方向性ということに関してはそのとおりだと思います。問題は、それをどう具体的に進めていくかというところであろうかと思います。 
 御答弁では、市民や議会と熟議をし、今後決定をしていくということでありました。住民自治のあり方についてはそれぞれの自治会でよりよい方向性というものが違うものでありましょうし、また違っていなければならない性質のものであると思います。この伊丹市にとってどんな地域主権、そして住民自治のあり方が最適であるのかということをこれから市民の方々と熟議を重ねまして、よりよい方向性を模索し、真の住民自治を実現していくように一体となって取り組んでまいりたいと思います。 
 そして、次に、社会教育施設(新図書館)についてでありますが、現在、実施設計を作成中かと存じます。現段階で特に3点、大きく懸念をしているんですが、一つは実施設計の中身がどのように上がってくるかということでありまして、もうそろそろ出てこなくてはならない時期かと思いますので、御報告をよろしくお願いします。 
 そして一つは、ソフト部分はどのように中身を展開していくのかということについて、まだ少し見えてこない部分が多いということであります。中身が見えてこないということです。本来ならソフト内容が先にあった上でハードの部分、設計が決められていくのではないかという考えもある中で、ともかくそろそろしっかりとソフト部分を決め込んでいかなければならないと思うところですので、これもしっかりと検討をし、慎重にかつ早急に進めていただきたいと思っております。 
 そしてもう一つの懸念はやはりコストでありまして、イニシャルコスト、ランニングコストとも当初のコスト設定から変動があるのではないかと思っておるところです。もし現段階で算定しているコストに、その内訳も含めまして変動がある、変動が生じたということであれば、随時、御報告を願いたいと思います。 
 社会教育施設(新図書館)についてはまた随時質問を重ねてまいりたいと思います。 
 次に、認定こども園についてであります。幼稚園と保育所が一体となった施設というのは、先ほども申しましたとおり、これからの就学前の子供の施設のあり方について、大変有効な形であると私も考えております。認定こども園の理念であります保護者の就労の有無にかかわらず、すべての子供が幼児教育と保育を享受することができ、また在宅の子育て支援も実施していく施設ということは、そのとおりであると深く共感するところであります。伊丹で認定こども園を進めていくということも理解するところであります。 
 ただ、先ほども申しましておりますように、今回の計画案は非常に大きな変更を伴う案であります。今回の質問では特に大きなポイントになるであろうこと、また現時点で確認をすべきことを絞り込んでお伺いをさせていただきました。が、まだまだ聞きたいこと、検討していただきたいこと、確認せねばならないことが細かいところまでも含みますと、たくさん山のようにございます。 
 例えば、保育料の問題。これはある意味、当事者にとっては、保護者にとっては最もリアルなところであることからも多くの不安の声を聞くところであります。今よりも高くなるのか、安くなるのか、また経済的に厳しい家庭への対応ができているのかということなど、熟考を重ねることともに、十二分に説明をすることが必要です。 
 また、そのほかにも直接契約になってしまうということの問題について、またカリキュラムはどうなるのかという問題について、また保育時間が違うということについての問題、また障害を持った子供さんに対する対応はどうなるのかという問題、また地域とのかかわりはどうなるのかという問題等々、実際に多くの市民の方から多くの御意見を伺うところであります。まだまだ課題は山積であり、丁寧に慎重に検討を重ねていかねばならないことだらけであります。 
 それらを踏まえて、現段階での要望を3点申し上げます。 
 1つ目の要望、伊丹の子供にとってよりよい施設を、ということをすべての軸にして取り組んでいただきたいです。この伊丹の子供にとってよりよい施設を、ということがすべてのベースになると思います。これを軸にいたしますと、みんなが同じ方向を向いて進んでいけます。逆にこの軸がぶれますとすべてが混乱してくるでしょう。伊丹の子供にとってよりよい施設を、ということを軸に進めていただきたいと願います。 
 そして2つ目の要望です。魅力ある認定こども園を目指すということです。認定こども園に関しては賛否両論ございますし、また慎重論というのもございます。さまざまであります。が、私ども実際に視察などにも行ったりする中で、認定こども園は魅力的な施設にすることが可能なものと考えています。整備を進めるのであれば、最高の認定こども園をつくることができるし、つくらねばならないと考えます。心血を注いでいただきますようにお願いいたします。 
 そして3つ目の要望です。市民と十二分に協議をすることであります。しっかりと説明をし、しっかりと協議をしてください。地域の方々とは何度も何度も話し合ってください。当事者の保護者とは幼稚園、保育所ともにさまざまな意見を持っておられます。すべてが貴重なお声です。生のお声を十二分に聞き、しっかり反映してください。保育士、幼稚園教諭の方々とは現場の状況をよく聞き、協議を重ねてください。市民の方々全般からも広く意見を聞き、熟議をしてください。丁寧で慎重で、きめ細やかで十二分な協議を今後、進めていただきますように、強く願います。私どもも今後、引き続きしっかりと声を上げてまいりたいと存じます。 
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。


END